日報

あるいは遺書

りゅう

2020-01-01から1年間の記事一覧

去っていく 橙色の夢 石段を上れば 連れて行って どこにもない もやもやとした腫瘍を 取り除きたい 踏切で 鳥の声 心臓の感覚 中に入る 耳鳴りを聴く 扉の閉まる音 身体の痛みを誤魔化す 光りと翳りの合間を這いずる 小さな虫のように また新しい泡 愛おしさ…

帰り道

橙色に染まる 声だけが教える 無が押し寄せてくる 閉ざされた部屋に 折り目をつけて しわくちゃの手 お経を 誰もいないから 冷たく固く 頼りなく 風に舞うレジ袋みたいに なれたらいいのに 成長の止まった植物 もうこれ以上は くたびれた天井 記憶の祠 窓を…

花が開く

温かいスープが飲みたい もう夏のことを上手く思い出せない 挨拶を繰り返します 雛見沢症候群になる 着替えたり歯を磨くけど 時々何これ?って思う 光の粒、ぶつぶつ 上手く話せなくて苛々する 風を浴びる 火山口に落ちたい 成し遂げても、成し遂げなくても …

鋭利な光

違う また明日 ふわふわとして 綿埃のように 掴んで離す 動作 波がある カーテンの隙間から 差し込む光の欠片 鋭利な 酸素を吸い込む 今のうちに 行くしかない 塔がそびえ立つ うるさい とりあえず歩いた 雨のように これ以上間違えたくない 脳みその同じ場…

這う もう一度失くす 空が近い 昨日を忘れる たくさんの言葉 一つ一つ倒して 古くなっていく 触ると冷たい 昨日を横切る あなたと出会う前に 糸を修復したい 脳みその同じところを 何度も何度もループして 日記をつけて終わる 点灯する 隅から隅まで掃除する…

冬の日の太陽

過ぎていく景色が 面白いのだという 風船が空に消えていく 手を離した途端 鳥はいなくなる 冷たくなってしまう そのメロディーを憶えて 欠片を集めて 日記を描いて 空っぽの部屋で 夕暮れと夜を繰り返す 植物のように息をする どこか遠くへ 手のひらを重ね合…

とかげのように じっとする 反射しながら 空を逆さまに 見る 美しい歌 ほしい 貝殻を鳴らしてみる 冷たくて温かい 無限の輪を 白くかざして 連れていく 接続 帰りたかった 雨宿り くらげのように えずいて 透明な時間の中を 何度も流されて回る 鍵を開けて …

プリズム

記憶の弦が たわむ 入る 位置を知らせて 強い輝き 匂いの中に 冷たい 心臓が揺れる ドットの中に 落とした 白い水の中に 傘を差す 外に出なくちゃ 見つかる前に 嘘をついた時の皮膚が 植物の成長に擬態して 一つ一つ 機械的に灯していこう 何かを見る前に ず…

そっと毛布をかけて

どこにもない 仕方がない 急流 白い息 いつまで戻ればいい 影が追いかける 意味の迷宮 しっかりとした硬さ あの中へ入る 誰かに何かを言いたいと思った 前頭葉を吸われる 意志を離れて 運ばれて行きたかった 列車を待つ 霧に包まれる 身体が遠くにある 煙を…

照らす

月の花束 漂う身体 犯されて じっとしている まだ諦めて いないのか 時計の針 夜汽車 森のざわめきに委ねて お化けになったら どこに行こう そっと皮膚に触れて もっと柔らかい形だった頃のことを 耳を塞いで 内側の声を聴くために セロハンテープでくっつけ…

墓石

最後に 手を 夕日の影に隠れて 身体が朽ちていくのを 両方から 見比べる 羽ばたいていられたら 子どものように なりたいのか 深く吸い込む 何かの成分が 元気に 良いことだけ 見つめていたい 帰りたくない 電車は通過して またあの音だ それを浴びる 柔らか…

祠の歌

落とした 柔らかい雨粒 沈黙を手のひらで包み込むような仕草 教えて 必ず会える 通過する 変な夢を見た 身体の輪郭がまだ定まらない 触って、できるだけ強く 点滅 白い声 不可思議な朝 鳥が一斉に飛び立つ 意味がないことがなくなる 目の前を通り過ぎていく …

綱渡りを続ける

そんな風に 考え込まなくても 違和感のあるものだけを 一つずつ 歩く 白い雨を数える 静かな歩道 触角を1ミリ前へ 今日が終わる 理由もなく 旧い友達 季節を開ける かじかんだ指で サンタクロースが来るよ 鍋に野菜をぶち込む こんな風にだらしなく過ぎる 部…

変化のきっかけとなってしまった 銃みたいに 十字架みたいに何かを強要した つまり 躓いた時に自分は歩いていたのだと気づくように 日溜りの記憶 ほんの些細なことだけれど ぐるぐる回って諦める 天を仰ぐようにして 沈黙の欠片を掬うたびに 目覚まし時計が…

状態

大切なもの 意識が遠い 渦の中で 少し休みたい 虹の中で 鼻や口や耳から入る 冷たいのが 広い場所が怖い 考える前に出る 身体の痛みを抱く 成長なんてしなくていい 蔦が絡まるように 状態が変化していく いつも混乱している もうすぐ 鳥居の中に入る ここか…

楽器

大切なことを忘れていたと気づいて 走って戻った でも 丁寧に折り畳む あまりにも巨大な希望は暴力のようになって 最後には冷たく宣告するように響く 白黒のお線香の匂い いないはずの人がいて 波の音はいつまでも打ち寄せる 溺れそうなくらい 身体を浸して …

星の引き寄せる力

また戻れるだろうか あの場所へ 森を抜けて 風を泳いで 死んでいく細胞に向けて 小さな祈りを 本当にそう思ったのだから 木漏れ日のベンチで 上だけを見てみたりしてみよう たまには たまには、いいよね、一緒に ざわめきが吹き抜けて 色々なことをちゃんと…

もっと上手に喋りたい

絡みつく 蔦、花 いつかあんな風になるなら 今すぐなりたい 太陽が言う 不完全な対比 一番意味のないものにこそ最も意味がある 壁の染みのようになる 君を囲う 物語はいつか終わる 雨 だらしない身体 大地震と大津波 空を仰ぐ あそこからあそこまで一気に駆…

何もない

やめないで 花 窓を飾って 信じていたと言う 夜の公園で話した 言葉にならないことばかりを後悔する そんな風に見つめていたら 子供のころ好きだった ゲームのキャラクター みたいに 何もかも決着をつけて終わらせる 巨大な光が街を包んで 何もない 植物は呼…

2018年10月12日〜2018年10月29日までのメモ

アリストテレスが提唱した、継続的に改善する仕組みとしての正義。結果ではなく、目的に主眼を置く。個別の誤った選択や判断に関わらず、「正義を目指している」というプロセス自体を正義と規定する。いずれは、細かな改善が積み重なって、最も相応しい正義…

怒る夢

ただの発熱 言葉がぐるぐる回る 誰にもなりたくなかった 水が 白い夢を映している 取り返しのつかないことが起こっている 絵本の中で 助けに行くよ 心が潰れた 信じる前に奪われたから どこにもいかないでね 冷たく羽ばたく合間に その触れた必ずがじっとし…

飛行機が来る

触れた指 瞬間的に感応して 冬が来る もう間に合わないか 縫うように過ぎる 痛みは遅れてやってくるだろう それまで日溜りにいよう 欠片を集めて フランケンシュタインみたいな絵画 あなたは十字架にかけられて 行き交う人々は影絵のようになって 最後に何か…

何もしようとしなくていいだろ つま先から地面につながる 再び吐いた身体の残骸を緩やかに落ちる 背景の意識はまたあの日の濁ったループ 光を抱きしめて、幼い子供のように ここにおいで、冷たい雨 不完全なまま輝くきらきら だんだん橙色になって始まりと終…

呪文を ふくよかなまま 時計を止めるような気でいて 最後には全部混ざるから 受信する 小さくなる 君は可愛い 君が可愛くないちいかわだとしても 平行世界のどこかで手を伸ばしている よく考えもせず始めている、また 列車が通過していくその音が好き 月が雲…

健康

死んだ後のことなんて知らん 雨が晴れを逃げながら追いかけるように老いる つまりどういうことかっていうと何でもない 悪質な煙を吸い込むように 影だけがそこにあって光を見ないから影を影と思うこともない 思い煩うこともない バウムテストもやらなくてい…

風と歌とざわめきとぐるぐる

語るべきこととそうじゃないことの違いがわからない 電話に意識が吸い込まれる 混ざり合って相互にぐちゃぐちゃになることで成立する これ以上契約はしたくない 暴力的な広告 母親が子供を 神さまがいれば 落下する お揃いの絶望を確かめ合って ボロボロの服…

2018年8月10日〜2018年10月9日のメモ

「ポップス」とは、考えなくてもわかる良さ。何が優れているのか探さなくてもいい、生理的に気持ちよくしてくれるメロディー。その意味では、肉体的充足と似ている。俺は、肉体的充足を信じている。身体に根ざしているから。身体に根ざしているものは、地球…

動作

8月の 冷たい雨の輪 気持ちだけがこのように 一つ二つほつれる 誰かが君を救ってくれる 星が落ちてくる こんな風に耳たぶが 雨ざらしになったライオンの乗り物 何かどうでもいい存在になりたい このまま朽ち果てて 信じられないとでもいうように 季節と季節…

日溜りの獣

トンネル 複雑に絡まり合った その一言で断ち切れる 新しい境目に 気怠く 順番にやっていく 自分以外存在しないんじゃないかとたまに思う 夕暮れる 誰かの足跡 開かれた空に 絵の具のように意識を溶かして 何か大きなものと一つになりたい そうなりたい 柔ら…

2018年8月9日のメモ

(*派遣で行ったコンビニのメモです。 真面目なので、2回目行くときに参考にするためにメモを取っていました。 今となってはこのような精神を擦り減らす労働をすることもなくなり、本当によかったと思います。) 東■■■目店レジの他にフライヤーやホット補充な…