日報

あるいは遺書

りゅう

冬の日の太陽

過ぎていく景色が


面白いのだという


風船が空に消えていく


手を離した途端


鳥はいなくなる


冷たくなってしまう


そのメロディーを憶えて


欠片を集めて


日記を描いて


空っぽの部屋で


夕暮れと夜を繰り返す


植物のように息をする


どこか遠くへ


手のひらを重ね合わせて


何かになりたい


炎のそばで


ここまで来た


あの時何を話した?


輪郭が覚束ない


両手を広げてみる


そっと


遠慮するように絡みつく


呼んでほしかった


アスファルトの凸凹が


他人の振りをしながら


何もない


心臓は働く


寝ている時も夢を見せる


咲いてほしかった


次にやることは何?


孤独の縁をなぞる


空腹感を覚える


伸びきったカセットテープみたいに


冬の日の太陽


集める


できるだけ


ただの命として