日報

あるいは遺書

りゅう

奇妙な白いシャツを着て 地面に落ちた影を見ている ここから意味を引き出そうとしている 見るというのはどういうことか 深い感覚 ドブ臭い川が流れる 必要なら何でも美しいと思える 君には詩が必要だ 花が散ったり 絵が飾られていたりする 街は生まれ変わっ…

誰にも教わってないのに 歩いたり喋れる やかんが沸騰する音 どこかに荷物を置き忘れてきたような感じがする 限定的なライト 強い魔法、弱い魔法 小さく折りたたんだ手紙 こっちにこないで 揺れる茎 運命が分かたれていく 小学生の歓声がきこえる 全てを0に…

わたしはどこかへ消えていく ただ雨の音を聴くみたいに 天使の存在を信じている だから見る 見ることができる おれはおれの身体を ただ行きたい方へ行かせる 標識は煤で汚れて 蔦が絡まった家が崩れかけている 脳内物質 いやだ、と言う そうだね、と言う 鳥…

まずはここから離れよう 色々なことをなかったことにする 頭がおかしくなる あなたはあなたのままで それを失う 一瞬焼けつくような熱さ 街が賑やかで 風が冷たい 心臓が揺らされる 寂しいと思う時 自分でもよくわからない 元気が足りない 本も読めない あな…

魂が行く宛を失って 勝手に流れ出してる 見渡す限り嘘で満たされて 手に入れたいものがない 12時間くらい寝たい 筋肉の繊維が 色褪せて 小さな喜びを抱きしめる 光が眩しい 0か1かしかない 動物園みたいに 発狂寸前の後ろ姿 性欲とかが俺の身体を乗っ取り そ…

大事なものがない 何も成し遂げられない 一人でいるのが嫌だ 冷たさがやってくる 途方もなさすぎる 水は気管を満たし あまりにも簡単に壊れて そんなんでいいの?と思う 不完全であることを愛する 家族になれなかった 2000年の円柱が倒れる 誰も入ってこない…

そんなふうになるまで 得たものは 耳障りだ 意識が遠のく 誰かが誰かと同じだ 心細い 本当に一人だと思う 海の底に沈んでいく 誰も生きてない 変な模様がぐるぐる渦巻く 寄りかかっていないと立てない 揺さぶられて 抵抗しても意味ない 人は身体を鍛える 猫…

すごい速さで過ぎていくのは 本当のことだ わからないから 小さい息で 浮き上がる 若いとか言われる あなたの影を掴んで 引き剥がして トンネルで歌う 記憶をなかったことにする 生きていくしかないからそうしてる 爪が剥がれそう 雲が千切れる ストレスがか…

てんとう虫を止まらせる 音楽を流そう 待ち時間が多すぎて 好きな人を思い浮かべる バスは走り出す 広告の隙間を 影は滑る 大したことじゃなくても 誰にも届かなくても 深海の部屋で一人 あなたの太陽を思い浮かべる ずっと後回しにされて 埃を被っている キ…

そっと息を吐く バレないように 流れのように 気をつける 頭の中 会社から家まで 矢のように過ぎ去る 好きな表現 好きな声 それを拾い集めている いい匂いがする 公園に立っている まぶたが重い 行かないで 丁寧に折りたたんで 空を飛ぶ夢 抱きしめる夢 上手…

何か 雲の流れ 高いところから低いところへ 染み込んで 見ている 不快な目で 知っていると思う 魂を傷つけたい 上手くやっていけない 走って疲れた 雨が吹き込む窓から 地面の中へ 透明な腕を伸ばし 触ってはいけないものに触れる 時間までに何とかしなけれ…

胸がずきりと痛むのは もしかしたら心地がいいのかもしれない もっと早起きしたいけど いっぱい寝てしまう 初恋の夢を見てしまう いつだっけ 雲が千切れていく くだらないことがすき 5歳になりたい 水たまりをあえて踏む 鳩の群れをおどかす 人々は退屈すぎ…

小さな欠片を見つける 子どもの指 1,2,3と数えて それだけ 絡まる 美しい音 味覚 あなたがあなたであるためにしてきたこと 揺れるプールの水面に 親和性がある 俺は最低だった 久しぶりに日がさす いつの間にか季節が進んでいて 知らないことが多い 風が冷…

何もかも失くした男 地下鉄のホームで 鳥になる夢を見ている 疲労が蓄積 水銀を飲む まだ遠い 行かねばならない 交通事故で死んだ猫 息が白い 血が赤い 風が吹き始める どうする? 屋上から見下ろす 星のあかり、ビルのあかり 雨が水たまりを打つ模様 足りな…

0と1を行き来して 固有の匂いの中で どこかに向う ひらがなとカタカナ 脳のノイズ 爆撃機の音 ノスタルジアを愛でる 地下へ続く道 この身体を満たす炭酸の泡が 木漏れ日を浴びて膨らんで 恋しいと思う 家に帰りたい 光速で過ぎ去る存在の影を追って 翻弄され…

手を振り通り過ぎていく 駅 声が濁っていく 水中にいるように 美しい生き物 現実の強度 水たまりに花びらが落ちる 桜の 日が斜めに射して 何もかも遠くて 広告の色合いや 窓ガラスに映る空も 切り刻まれて 放り込まれて 赤ちゃんを眠らせる 夜が来て朝が来る…

雨に濡れた烏が 翼を大きく広げて ベランダの窓からそれを見ていた 窓がいっぱいある そのどれにも入ることがない ここにいるようでいない 簡単に日々を使い果たしていく 冷蔵庫をあける キウイがもうない 影と影が混ざりそれに気づかない 不快な通知音 脳の…

白魔道士は歌う 朝も夜も 鳥がやってきて 餌をねだる 森のざわめきを遠くに感じる 遠くまで行ってきたの? 返事はない 通り過ぎてしまう 光を抱きしめる 愚かなことをしよう 目が覚めるようなことを 同じことを何度もやる この身体が尽きるまで それは寂しい…

私は私の報いを受ける 絡まる輪の中で 懐かしい人の声を聴く 通り過ぎていく 夜の街路樹 風に揺れて 魂が求めるもの 夢のように 今日なに食べた? 存在の理由を探して 石段を登っていく 一つ一つ確かめるように 深海の部屋で 火を灯す 一緒に揺らめいている …

朝起きたら薄っすら悲しい 身体が地球に馴染んでいない あくびをする カーテンから漏れる光が 強度を持ったガラスが 電子機器がうなる 最新のニュースが目に飛び込み それについて何かを思ったが忘れた 久しく会っていない友人に会いたい フレンチトーストを…

透明に触れた時 傷口に入る キスをして 陽光が降り注ぐ 君は小さな椅子に座って 窓の外を見ている 手を繋ぐ 拾った貝殻をそこに置く 耳鳴りが止まない 身体を手離す準備を整えていく 子犬のように 窓の外は冷たい雨 他のものは何もいらない ただ大空を飛びた…

陽光が何故か光る ひどく不思議だと思う 天国への行き方を知っている その回路 いらないものだらけだ この部屋だけ重力が濃い 確かさを確かめる 無駄なことをしている 俺はバスに乗っている 脳みその中を旅していく 出会っては別れ どうしようもなくなって …

何故か生起され ここがどこかわからない 匂いも海も 他のものも何も 反射していく光 折れ曲がって 魂が流れていく 高いところから低いところへ 社会は忙しない 賢者タイムは終わり 終わりの始まり 時計の針は嘘をつく 想像力が空回りする あなたの目に見える…

切り立った崖 匂い 賢者の目 僕たちは旅をする 犠牲者が出る 大地の縁に向かって いくつもの影 言葉 色がないことに慣れ始めてる 確かさを確かめる ずっと続く痛み 肉の軋み 傷痕がじくじくして 雨が降り始める 薄暗い朝 何かを始めなければ 二本足の行進 息…

虹を作ってる 一人で 月も星も越えていく 心配事は尽きない 井戸の水は枯れて たくさんの羊が居場所を失った ジェット機が夜空に突き刺さる 10年前のリストカッター 閉鎖されていく 揺らめくカーテン そこにいるのはどう? でっかいぬいぐるみ 問いかける 神…

夢のように 泡のように あまりにも白いし 子どもが駆けていく 誰かがピアノを鳴らしてる それを俺はただぼんやりと眺めて 頭の中は大洪水で たくさんの人影がやってきては去っていく みんな何かを話して 笑ったりそうじゃなかったり 俺もその中の一人で 路面…

繋がる 繋がってしまう もこもこしている 愛想笑い 不完全なピースを当てはめて そこに映る景色を見てる 今日も違った とぼとぼ歩く 夕暮れの中をバスが通る 指先は冷え切って 風が冷たい 屋上の灯り あそこに行けば 意味がないことだと言う 誰かの灯り 透明…

照らす 命の夢 彼方から 映る 耳鳴りとメロディー 月明かりの歩道 LとR交互に揺らす 身体がある それを急に思い出す ジャングルジムの上で手を伸ばす 貝殻 月日が巡る 回覧板 花粉に犯され始める 手に入れては手離す 踏切で ちょっとだけ考える あれこれ す…

もがく 対応していく 時間通りに起きて そこにいる必要がある 春の日が暖かい 猫が寝転んでる どこまでも伸びていきそうな様子で 石段を上る どっかに行っている 遠くの方で電車ががたんごとん 宙に浮いた午後 戻れなくなる前にこっちにおいで 喉を差し出し…

何かが固まる ふと足元を見て 小さな斑点に気が付く 鏡のようになっている 湧き出ている? 何のために何をしているのか 不必要に刺激が多く 不快だ 汚れを落とす 喫茶店に入り 注文をする 視線が行き交う街で 誰かがやってきて潰れる 別にやらなくてもいい …