日報

あるいは遺書

りゅう

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

離陸

穴の空いた容れ物で ほら、どうしようもない 小さい生き物のための音楽 空の青さを初めて知る 初めて自転車に乗る どんな風に笑うの? どうやってこける? 水の中で息ができる 風景を切り取る 同じ形 届く位置にある 記憶の継承 時間の波に押し流されて 微か…

公園 渇いた水たまり 風景の滲み方に夏が混ざる 今日の風の匂い 誰かに優しくしたい誰でもいいから 砂上の楼閣 宿題の答え合わせ 亀の鳴き声 トンネルの反響 新発見 手のひらの中で過ぎていく時間 超えられない もう戻れない 足りない部分 心臓の声を聴く 蛍…

潮騒

遠くから 風が吹き抜ける 折り畳まれた今 0の入り口に立って 透明な渦を見る 白い赤ちゃん 太陽に会いたい 宇宙では上手く踊れない 通り雨が通る 古本屋で雨宿り 過ぎていく季節を眺める たくさんの色 収まりきらず溢れる カーテンがはためく 車の音 ずっと…

青い布

青い布 犬が吠える きちんとして 匂いのする方へ 大人しく 物語が進む 透明な包み紙 甘い香り 白く霞む森 そのずっと向こう側へ 女の子の笑顔 学校のチャイム 知りたかった 階段を降りる 割れた鏡 匿名希望 最果ての街で 海の見える丘で 暖炉のある家で 満た…

春の終わり

なだれ込んでくる たくさんの声が 白い鉄塔 記憶をこういう風にする 誰しもその瞬間がある 貝殻を集めて 近くて遠い 数えている 頼りなく震える 湯気を食べる そんな小さな生き物 分裂して またどこかで 紫陽花の花飾り 雨に濡れた路面 不思議な輪がある ど…

昨日の帰り道

変な夢 坂から転がるボール 一緒にいこう ひらがなのままで 透明な泡ぶくぶく カナリアの声を真似て 何でもいいから言いたい ほんのわずかな望み 廊下を走ってはいけない 砂上の楼閣 気持ちよく眠る 取るに足らない嘘を積み重ねる 丁寧に皺を伸ばして 胸の中…

新しい靴

蕾、咲く 悲しかった 冷たい海 新しい日々 どこかで、また 改札の向こう側に消える 頼りない笑顔 鍵盤を順番に押していく 本棚を増やしたい 記憶の片隅 橙色の屋上 何でもいいからもう一度 空中で渦を巻く どこかに行きたい 雨が降り止まない 仲良くできたら…

実験

ささやかな実験 触れた瞬間に消えてしまうような 柔らかな、細やかな感覚 玄関のレンズから差し込む虹 箱を開けたい 命の船出 数限りない光が、雨粒が 一斉に同じ言葉を喋りだすように 意味を追いかけて、意思に遮られる 人と心を隔てるもの 向こう側を乞う …

乞う

読み切れないほどの言葉 飾る スクランブル交差点 酔う 置いていく、老いていく 人、ひたひた 友達になりたい 信じても信じなくてもいい 戻れなさを愛している 闇を彩る 待っている、舞っている 心臓に触れてほしい 潜る泡 回転する原理 街角、交通事故 灰色…

発疹

家族 冷たい手のひら 橙色を集めて 記憶の集積所 ほんのわずかな雫 神経の束 羊雲の群れ 今日と明日の境目で 二人になる ラベルを貼り続けている 腰が痛い 歌を歌いたい 輝ける毎日 グレイの日々 とても静かだ ずっとこうしたかった もう休もう 毒が回る 夜…

無限の糸

何かに憧れている 突然やってくるもの 嵐のように 息を継ぐ 今度はもっと速く あいしてると言う 布団干さなくちゃ 耳元で囁く ごめんね、迎えに行くね、さよなら、二月が終わる 記憶の堆積 重たい窓辺 夏も冬も一緒くたにして 手紙を折るよ 心臓の奥の奥 原…

合図

それから? 名前を決めることができなかった その前にいなくなったから 今年もまた強い日差し 何ができる? 白い睫毛 花瓶の水を 幼生が池に波紋を生む 銀河が降る 眼に映る全てが液体のように 不快感を飲み込む 柔らかくなる 途方もない数字 未だ始まってす…

傾斜

指し示す方向 強い日差し タロットか何かで決める ふくらはぎ いつもの勝ち 勘違い まだ眠い 今の今の今 考えることが多い 匂いを探す 鉄塔に昇って 大切な鍵穴 広く深く食い込む どれほどの願いでも きっと突然現れる 過剰に生きる おいで、こちらに ペンを…

夏の夜

最果て 勇気づけられて 感応していたい 心の中の小さな街 火を揺らす 窓を開ける 埃が舞う すべからくすべてそうして 湖、涙の おいしいものをいっぱい食べる 全体の一部 狂うまで 寂しい色、鈍く コンクリートの輝き 同化する あの丘から見下ろせば 賢者の…

融解点

呼吸の仕方を忘れる 今日の風、今日の温度 枕元に悪夢が染みつく カーテンを光で濡らす 天井と壁 大きくなったり小さくなったり 自分自身とそれを繋ぐ糸 そっと顔色を伺う子ども カレーライスと麦茶 グラウンドに砂埃が舞う 知らない影が横切る 車のナンバー…

静寂

鳥が飛んでいくのを見た 0と1の間を 無数の旋律 自由に歌うことができる気違い またあの時みたいに詩を書きたい 命のぬくみや普通の響き ただの美しいそれになる 歩道橋 マンションの10階 飛行機の点滅を目で追いかける 雨粒を辿って 記憶が震える時 何もし…

空虚な砂

修正してください 音楽のように 指の先でそっと触れるように 冷たく騒ぐ 開くと同時に閉じる扉 あなたは出入りする 海が見たいと思う 知っている 身体の欠損 普通の響き 柔らかい布に包まって あの人に橙色をください 空虚に振動する 月に行ったことがある …

回遊する魚

回遊する魚 照らされる 景色の断片 息の仕方を忘れて 黙る 家族の夕べ 一つずつ置いていく 糸を手繰り寄せて 子どもの目 誰の運命にもある その穴 終わらない 孤独を見せて 今日も水を飲んだ ふくらはぎむずがゆい 命の選別 借りぐらしのアリエッティみたい…

6/5

10時頃起きる。コーヒーを淹れ詩を書く。今日はおさやいない。朝食バナナとヨーグルト。中村文則のカード師を読み進める。何時間も読む。14時半頃奈緒がお腹空いたと言いに来たのでカレー食べに行くかと言いカレー食べに行くことになる。モディでシーフード…

粘液

外を見る 不可能なねじれ 何かのために生きなきゃ 雨が止む 一つ質問なんだけど 小さく息を吸う やっぱりやめておく 人は信念に従うだけ 傾斜 辻褄を合わせる また今度会えたら 色々な出来事、シャボン玉 見に来てね 手を取り合う 立場の違う者同士 孤独を大…

6/4

おさやと遊ぶ夢を見た、最高。かためさんたちと遊ぶみたいに数人で公園でピクニックをしていた。何回か目覚めたりまた眠りに落ちては夢を見たり、寝れるだけ寝て、10時起きる。ハチドリに光を当てる。雨。窓には水滴がびっしり。首の調子は、まだ上を向くと…

マンデルブロ集合

不完全な輝き 死んだまま あるべきところに帰る 数えるみたいに 匂いを含んで 綺麗な夜 手繰り寄せていく 時間がないから 休憩をしよう 遊園地に行こう まだ見えていない 仄かな粒子 乗って 真実を書き換える 友達になり損ねる 灯りがつく 晴天の空 心臓に痛…

6/3

熱したフライパンに卵を落とすとそのまま卵が小さくなって消えてしまうという奇妙な夢を見て、8時前に目覚める。よく寝たという感じはなく瞼は重いが、目を閉じてももうこれ以上眠ることができない。奈緒はまだ寝ている。コーヒーを淹れ、洗濯機を回す。詩と…

心臓であるということを 愛でる 女の子みたいに 渇いた声で あああああ 犯罪者の四角 空中に舞う カナリアの声を真似て また歌いたい 広場に火を灯す 鈍い痛みに気づく そうだ最初からあった 観覧車に乗りませんか 震えていたいから 風が気持ちいい 考えるこ…

6/2

寝れるだけ寝た。9:57起きる、アラームが鳴る3分前。昨夜寝たのは0時頃だったので、10時間近く眠ったことになる。ハチドリに光を当てる。薄曇り。髭を剃り、歯を磨き、顔を洗う。昨日は風呂に入らなかったので少しべたべたする気がする。コーヒーを淹れ、久…

降る街

小さな芽 何の? 右側から来る 偏った渦 飛行機に乗っていこう ひどく疲れて 耳鳴りに耳を澄ます 透明なように 上空の方に 三回目で決める 行くよ 乗る 繋がってはまた離れるように 朝起きてコーヒーを飲む 霧雨の朝 魂の重みをしっかりと感じる 大切な赤ち…

色の分裂

好きな衣 今は忘れて 木々の揺れ 他の未来 暖かかった 丁寧に折りたたんだ 橙色の季節 輝くもの おろそかにしていた 弦を弾く 上昇する感覚 悲しい気づき うわごとのように空を見上げる 少しだけ眠い 一人で頑張る 冷たい雨 星の王子さま 耳元で囁く 約束の…