日報

あるいは遺書

りゅう

実験

ささやかな実験


触れた瞬間に消えてしまうような


柔らかな、細やかな感覚


玄関のレンズから差し込む虹


箱を開けたい


命の船出


数限りない光が、雨粒が


一斉に同じ言葉を喋りだすように


意味を追いかけて、意思に遮られる


人と心を隔てるもの


向こう側を乞う


鳥になって、魚になって


絵本のページをめくるように生きる


気持ちよく眠りたい


何を問いかける?


不自然な世界


光の屈折


波が風が揺れが


やって来ては去っていく


収斂せず四方に広がり続ける


自分が存在であったとことをふと思い出す


そして問いかける


不確かな形、もしくは祈り


賑やかな街並みをただただ眺める


最果てについて


意識を開いて


右、左、その他


思うことも思わざることもせずに


純白を埋めていく指


もう一度試してみたい


始めから終わりまで


想像力の岸で