日報

あるいは遺書

りゅう

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2月

少しずつ 帰ってくる 沈黙の木 美しくほどける 意味がまた お墓の中から 青かったから 大切にして なんとなく笑う 膨らんでは閉じていく 淡い色の絵の具 パレットの上に花びらが 見るように聴いていた 今、月にいます こちらでは雪が降っています 扉を開けた…

2/26

命が身体の中で暴れている。クソが。白と黒しかないマジで。PCが明るすぎて眩しすぎる、電車に乗って海に行きたい、暖かくなったら。早く死なないと。もっと、いっぱい死なないとな。誰かになりたかった。ごめんねって言いたい、ただたださめざめと言いたい…

からしな

粛々と回す 命だから 窓を開けて 嫌いな朝 一人で行く 誰でもそう 知らない歌 手を伸ばしたまま固まる 子どもの夕焼け 逃げるが勝ち 平気です 透明な層まで 今まで言われた全部の言葉を 持っていきたい 新しい長靴で 水たまりを踏む 空を滑る 鳥の影 電線が…

2/25

夜の海は、黒くて大きかった。白と黒しかない世界みたいだった。 波打ち際が生き物のように蠢いて靴を濡らした時に、少しだけ死に近づいて、自分を思い留まらせるものは恐怖だけではないということがなんとなくわかった。 温度とか光が、懐かしくてしょうが…

白魔法

治ってしまった傷を いつまでも庇っている 早く次の町に行きたい さっと風が吹く 戦うために生まれたわけじゃない そう思う 意識の奥底まで 光に包まれて 揺らめく水の模様 胎児の姿勢で 雨を通り過ぎた後 静けさをずっと聴いていた 身体がなくなっていくよ…

いらない子

真夜中 いらない子 手を伸ばしたまま 固まる 記憶の底 目の裏の変な模様 はじめまして どこから来たの? 鋭利な刃物 不安になって 夢中になって 壊れないように 優しくなるように ようこその雨 貝殻をあげる まだ死にたくないのに 教室の片隅で 夕暮れの跡を…

光の匂い

相槌 雑踏の中で 心がほどけていく 夕暮れが近くなって 戻っていくような 煙草を喫む 黙ったまま 春の歌 言葉を使わずに約束をした 迎えに行かなきゃな 目を閉じて見る ゆっくりでいい 作っては壊す遊び 確かめたかったから その小さな手で 星を握っている …

ざわざわ どうしたの? 狭いまま 陽だまりの欠片 花の言葉 お湯を飲みなさい 小さな扉を開く 丁寧に、慎重に 歩く 祈りを込めて 光のままで 変わっていく景色 溶け出して混ざり合う色 水の中の線路 放課後 一人でジャングルジムに上るあなたを 遠くから見て…

2/21(日)晴れ

たっぷり12時間眠った。こんなに眠ったのは久しぶり。朝起きてまず、海に行きたいと思う。コロナのこともあるので一旦は却下されたが、しゅんとしていたら、人のいない海だったらいいよということになった。 ハチドリは奈緒がカーテンの外に出してくれていた…

白く清潔な朝だ 窓の外に流れ出す水を掬う 指先が少し痛む 5歳の迷子 まだ始まったばかりだと言う 現実を少しずつ剥がす 金魚のひれのゆらめき 洗濯を回すみたいに 記憶の先を辿っていく 柔らかい何かが跳ねる そこに行きたかった 皮膚の強度を確かめている …

2/19(金)晴れ

窓から小鳥が飛び込んでくるみたいに、素敵な思いつき。びびっときた。 朝、快晴、ハチドリに光を当てる。 霧が晴れるように、3日続いた憂鬱が終わる。もう一生暗闇なんだと思ってた、そんなわけないのに、憂鬱になる度にそう思う。思うというより、そういう…

開店休業

融解した 虹の白いところ 液体は街を覆って 街灯を反射して煌めく 開店休業 電車の通る音だけ聴く 身体の中を季節が通り過ぎる 埃の積もった棚 開かない祠 こんな時に音楽があれば 銀河は ぐるぐる回って遠ざかる 髭を触る 珈琲だってさっきまで熱かったのに…

静かなおかえり

足音 影を抱いている 100年くらい経ったら 忘れてもいい 静かなおかえり 魂の居場所に閉じ込められて 光の皮膚が焼ける まだ準備してたのに 季節が満ちて胸がいっぱいになる 赤ちゃんの匂い 物語の終わり 他のものは何もいらない 缶コーヒーと煙草と花 踏切…

2/18(木)晴れ

何もかもが嫌すぎて、こんな世界で生きていることが何かの間違いのような気がしてくる。もし死んだら、みんなびっくりするかなとか考える、昔の友達とか。でも別に本当に死にたいわけじゃなくてボーダーなんだと思う。どんなに幸せでも、満たされていても、…

誰かの音楽

幾つもの形の中で 静けさを抱きしめた 構わない 季節が開いて また一つ忘れて 洗濯物が揺れていた 誰もいないのに声がする 風が吹く 最近遠くに行ってないな あと何回会える? 階段をのぼる 睫毛が震える 理由もなく隔てる壁 もう一回最初から数える やり直…

特別

特別 微笑みが滴る じっと伺うように 蝉時雨の記憶 堰を切ったように 遷ろう街 火は揺さぶられ 考えすぎておかしくなった 両手を広げてはくるくる回る 魔法のような言葉 温度のある歌 何千回 小さな輝きだけを書き留める 体の中の祠は開かれている あなたも…

2/16(火)晴れ

間違ったことをしているという感覚だけがあるが、何をどう間違えているのかがわからない。

いみじくも 意味もなく 人差し指 冷たい爪 文字をなぞる 弦の上で踊る 照る はらはら、ひらひら 裏側から 体の中 真っ逆さまに落下 そこにいたのだ 動きと蠢き、その差異 ふと雫が垂れる お願いします あなたは好きなだけそこで 日向と日陰の境に立って 有機…

2/15(月)雨→晴れ

雨だ!雨が降ったら映画を観ようと決めてから、雨が降るのをずっと待っていた。朝起きてすぐ、今日は詩を書かずに、コーヒーを淹れてからテレビの電源をつけた。ロウ・イエの「ふたりの人魚」。図らずも雨がよく降る映画だった。やたらと画面が揺れるのが良…

待ち合わせ

目の裏に焼きついた輝きが ゆっくりと滑って 太陽に手が届きそう もっと小さなものたちを見たい 心臓の奥で微かに好きな痛み まだ言うべきではない言葉も 見当外れのやさしさも 全部一回で愛せたらいいのに 一つ一つ 暗い穴の中 水の流れる音だった きっと同…

2/14(日)晴れ

海老名SAにイカを食べに行こうということで奈緒とヨシ(奈緒の父)とで車に乗り込む。今日はそんなに寒くないというので薄着。果たして外はぽかぽかとした春の陽気に満たされ、天国にいるような気分になる。柔らかくぬるい、いい風が吹いている。いい風を胸い…

2/13(土)晴れ・薄ーい曇り

探しに行くのではなく、向こうからやってきたものを捕まえる。自分の中に飛び込んできたものを信じる。 朝起きた瞬間に料理っていつ覚えたんだろうと思って、それをずっと考えていた。実家にいた時は料理なんてしなかったし、したとしても普通はあり得ないよ…

果てしない物語

0に近づく 流れるために 奈を揺するために 息が跳ねる 夕映えに翅が生える ぐるぐる 天気予報が外れたから 今日は特別な日 青い緋とその香り 君になら負けてもいい 小さな身体で海を抱いている 優しい死神 歩道橋を渡る、冬の気 膝小僧がじんじんと傷む ラン…

洗濯機を回す 欠片を集めて 目を閉じたまま言いたい 浮遊する魂の 白に近い部分に手を伸ばす 優しかった 丁寧にほどく 胸がいっぱいになる それから空っぽになる 朝ですよ 文字を綴る セロハンテープで留めるみたいに じっとここに座って 泳いでいる 耳鳴り…

2/12(金)曇り

雲の中にうっすらと太陽が透けて見える。弱ーい日差しがずっと差していて、影が濃くなったり薄くなったりする。今日は結構肌寒い。 電車には結構な人数が乗ってきて、ちょっと緊張した。コロナがどうとかではなく、単純に人の多いところにいる機会がほぼない…

普通の響き

通り道 つむじ風 丘から見下ろす 手のひらでほどけていく 誰にも何も伝わらない 黙ってハンドルを握ってる 鳥が啼いた 誰の後ろでもきっと流れている歌 もう一回咲くまで 身体の奥深く 覚めては眠る ゆっくりとなくなっていく 笑ってる 大きくなったらまた会…

2/11(木)晴れ

マイスリー全部ゆめのMV、ほぼ図形しか出てこないのが心地よくてたまに見る。 将来どうとか別にどうでもいい、生きていればそれでいい。 自分のことをどれだけくだらない人間なのかと思うけれど、世の中全体で見ればくだらない人間の方が圧倒的に大多数で、…

ぬくい

ごめんね 魂の中で 痛々しいままで もう呼ばないで 光の輪の向こうへ 思い出したいことがある つらつらとみみずの這うような字で 挨拶を繰り返して 濁っていくのをただ見てる 帰らなくちゃ 最低だ 咲いているんだ 同じ夕焼けを見せ合って 覗きこめば引きずり…

2/10(水)晴れ

窓辺から清潔な日差し。ハチドリに光を当てる。昨日よりやる気が少ない。寝るのが遅かったわけではないが、なんとなく眠りが浅いような気がする。よく寝たーっていう日と寝不足気味の日を交互に繰り返している。体調を一定に保てたことがない。 洗濯物を干し…

よく効く子守唄

周回軌道を離れて 記憶の彼方を当てもなく過ぎる 今日は日差しがぬくい 埃っぽい窓際に座って 通り過ぎる人達を眺めた 黙祷 欠片を集めるように ひとひらの声を あ、今わかった そう思った 目を閉じてみる 歌うべき歌はない カーテンの隙間から 光の柱が立ち…