日報

あるいは遺書

りゅう

白く清潔な朝だ


窓の外に流れ出す水を掬う


指先が少し痛む


5歳の迷子


まだ始まったばかりだと言う


現実を少しずつ剥がす


金魚のひれのゆらめき


洗濯を回すみたいに


記憶の先を辿っていく


柔らかい何かが跳ねる


そこに行きたかった


皮膚の強度を確かめている


違う景色を見せて


理由のいらないままで


変な占いで適当に方角を決める


漕ぎ出せば風と光


オルゴールの手紙


もう一度


今日と明日をほどいていく


上手く泳ぐことだけを考える


学校行かなきゃな


ゴミ袋持ってアパートを出る


そうだ、料理もしなくちゃ


回転運動に合わせて


あの煌めきを手のひらに閉じ込めて


指の間からさらさらと流れ出していくのを


ここでずっと見ていたいと思う