日報

あるいは遺書

りゅう

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

それによって時間が進む

灰色の部屋で 昂った神経を落ち着ける 見えすぎた色や聴きすぎた音 祓う どこから来てどこへ行くの? 痛みそのものを好む人はいない それほど多くのものを必要としているわけではない 月の陽射しの欠片を閉じ込める 誰かの願いが歴史の渦となる 触れた時の皮…

風船

不思議に思う 人工衛星の反射するきらめき 秘密を分け合おう 誰にもわからない 最後のままで 永遠に呼吸を失う 水中で揺れる花 道なんて最初からなかったよ 手を繋いで途方に暮れる 本当と嘘を交換しよう 誰も助けてはくれない 帰るべき場所を燃やした 木立…

夜を食べる

夜の海 ひそやかに 蠢いている 月の光 新しい嘘 金網越しに 確かめて 屋上に昇って 少しだけ心を開いた 誰もいなくなる 雲 今日も暮れていく 街は呼吸する 透明なまま 綺麗なまま 知らない なんで歌うの? 反響する 夢と現実の境目を失くす もう気にしないで…

0と1の鬼ごっこ

苛立つ母 埃がたまる 真っ暗な真夜中 時計の針の音が満ちる 会いに来たよ そう言って静かに笑う 手に入れて 手離して 目を開けて、目を閉じて 真剣に考える 少しだけ混乱している 虹の輪の外で 温かさと冷たさの音階をじっと見つめる 味のしないパン たくさ…

よその子

しとしとする 窓辺の雫 何かを待ってる? 問いかける 寄せては返す 返しては寄せる 二重螺旋と笑顔 いい匂い できるだけ良い気を 道しるべのように 目を開けて、前を見て飛べ 目を閉じて、胎児の姿勢 眠りの世界へ 柔らかな布 小さな黄金色の光 傷痕を慈しむ…

静かな朝

星を数えている 横たわって 木立のざわめき 過ぎていくものがほしい ここにいられてよかった? 目がまわる 一つ一つ 振動の循環 落ちた人工衛星 心と体が離れ離れ 何をしているんだろう 虹の渦 抵抗しない 森の奥へ行く 裸足で走っていく 何かがやってきては…

暗い窓 糸が途切れる 記憶の循環 体だけここにある 帰ろうよ 夕焼け空と電線 光る粉 蝶の飛び方を真似て 空に飛び込む ひりひりする痛み これで最後だから 寄る辺ない風 出せなかった手紙みたいな くすんだ灰色 今日を通り過ぎる 列車に乗って 踏切の音 どこ…

ユリイカ

白と黒の狭間 空いた穴 かつて家族だった 雨は夜のうちに止んだ バランスを取って 昨日が今日に変わる瞬間 音のない歌 夢で触る 川沿いを歩く 小さな光の点滅 人工衛星が横切る 新しい季節の風を 胸いっぱいに吸い込んで 過去と未来を手に入れる 夕暮れの赤…

やってくるものを静かに待つこと

あなたの朝が 流れ込む 冷たくて透明な 泡 塔に登る 記憶の欠片を手渡して 儀式のように さようならと発音する 原始の震え ふわふわと 空に落ちていく わたしはまた失う 白と黒の縁どり あの丘から見下ろせば たくさんの窓の明かり 始まりと終わりを何度も繰…

汚されたい

夢を緩める 緊張をほぐして 不完全な流れに浸す肢 あなたの夕日が照り返す 雨の日の街 音もなく、大人しく 失くしていく つらつらと、粛々と もう体は動かない それが何かなんてどうだっていい トンネルを抜けたら 秘密を返して 0になるまでの間に 綱渡り 昨…

廻る

良かった 今は大丈夫でいられる その傷痕を愛おしく思う でもその反対の意味も受け入れる くすんだ灰色の団地 グラウンドに土埃が舞って何も見えない 夕方5時のチャイム 鳥たちの飛んでいく方へ 信じる? 強い方から弱い方へ残酷な力が働く わたしがわたしで…

車輪

現実と妄想の境目はどこだろう 輪郭が歪む 新しい朝だ 遠くまで来た 列車が通り過ぎる音 目を瞑って手のひらを浸す 体の中に道を開く アスファルト、土埃 訳もなくわくわくする感じ ひとりだけどひとりじゃない 物事は必ず正反対の意味を含む クリスタルが弾…

狭間の渦

過去・現在・未来が交差する瞬間を見る 情報の洪水 信号機の明滅 夜なのに明るい 醜いアヒルの子を探す 小さな小さな約束 とっくに冷めているコーヒーを飲み干して ここじゃないどこかに行けたら そこが君の行くべき場所、やるべきこと アスファルトの上で干…

ここは誰でもない時間

開くために 時空は伸縮する 早く大人になりたい 聞いたこともない鳥の声 そして列車が通り過ぎる いつもそこにいるの? 影は目を覚ます 大人しく 音もなく 静かに狂う まだ知らないその先 誰かに会いたい 夏が暮れていく 魂の容れ物をそっと撫ぜて 届こうと…

インストール

含む 降る 夏の最後の日 壊れそうな青 ひまわりが黙って揺れる 子供の声 懐かしいね くすんだ灰色の壁 チャイムが鳴る 吸い込まれる 消えていく煙草の煙 少しだけゆっくりになって また元に戻るまでの間に 灼けつくような温かさに触れた 空を泳ぐ 夢を彷徨う…

ここが最果て

子宮の中で 海を見つける 手を伸ばす 泡 オレンジ色の雨上がり 記憶の欠片 左右非対称の成長 歩む 無人の駅で 透明な大きな あの朝を呼ぶ ゆっくりと、でも確かに 失っていく 君の痛み 今ここにあるものだけ 時空の狭間で 息をしている それに気づく 同じよ…

最果ての国で 宙に浮かんだ 歌のように 曲がる 似ている 心を開きたい 中に入るために 光と闇を入れ換える 剥がれていく 成長する 植物の意識 空に向かって 探しているもの 形のないもの 活性化する さっきまで忘れてた 物語の鍵 温もり 誰かが誰かを 雨の日…

脈打つ太陽

白い夢 やわらかい 沈黙の響きを拾う それは天使だったり悪魔だったりする 長い旅 何度も指し示す 同じ髪型 同じ仕草 浮かんだ歌 たくさんの記号が並んだ街 通過する 透明になって飛ぶ 名前も輪郭も今は必要ない 光を食べる 左右対称に開いていく 大切なもの…

葉脈

嘘の風 微かに夏の終わりの匂い 心が開かれてしまう また連れて行こう 秘密の扉 くすくす笑う 止まった時計 渇いたまま 0を迎える 窓辺に座って コーヒーを啜る 入口があれば出口がある 魂だけになって飛んでいきたい 夜の光 まばたきをする 手のひら 大切な…

簡単なこと

透明な形を感じる 季節のように通過していきたい 子供が手を振る 締めつける何か 大地が震動する 大きな波がすべてを押し流す 希望と絶望の混合 パレットに落ちた花びら 誰かが誰かを傷つける時 宇宙の端っこが少しくたびれる 次のページに行こう 法則を捻じ…

海辺の駅

ひろがる 両手をひろげる 1、2、3、4 帰る鳥 耳の奥で弾ける 許したい ハサミで切る 白黒の意識 どこかで待っている たくさんの目 太陽の奥へ 放課後の教室 海が見える きらきら反射する あなたの好きなもの 匂い、形 足りないのは何? 今だけそこにいたいで…

あなたの渦

喜びの声 太陽 ひまわり 一陣の風 自由の意味はまだ知らなくてもいい 青い瞳 関連し合っている 影がぐるぐると君の周りを廻る 聖なる火 耳を澄ませば聴こえる 君はそれを聴くことができる 再び帰るために あなたは私ではない 夢を食べる ふわふわと浮かぶ ブ…

楽しかった日

生まれるときの音と匂い 白い 秘密の鍵 まだ言葉になる前の約束 たゆたう嘘 幻想のような 小さな子どものような 虹を見つけるために 開くの? 選択する 入れ子構造の世界 もっと奥へ 青い波の先へ 螺旋階段を降りる わずかに差し込む光 正解なんてない 説明…

透き通った冷たい風 波打つ魂の襞 暗い朝 まだ夢の中 数えている 死んでいく 耳鳴り 相槌 歩みを止めない 救急車の音 何かが始まり何かが終わる 欠片となって分断される パスワードを入力してください 木立のざわめき 寄り添う影 大切なものは何? 震える光 …

フラクタル

朝 雨 あれ? 人の影 出口へ向かう 潮騒を奏でる 感情の色が伝播する ちくたく 過ぎる 目を覚ましているのに 歌はどこ? 逃げ場 降下していく 翼 深い霧で何も見えない 底まで沈む 極限までシンプルになる 生まれ変わって死ぬ 記憶の抜け殻 白くなったんだ …

響きの海

入口に入る 冷たい空気 遮断 耳を澄ませば 風の流れていく方向が見える もう取り返しのつかないほど 白と黒が うつくしい夢 水面の光を見上げる 堆積した沈黙の中で 祠の匂い 雨を奏でる 胸の奥を抉り取るような音 祈りや願いはたゆたう それらは相互に結び…

雨の鳴る 何もない モノクロと色が絡み合う模様 体温を奪われる 風景の中に組み込まれている 落ちてくる 降る 帰りたい どこに? 沈黙で絵を描く あなたの最初の場所 あなたの最後の時間 繋がってはほどける 流れる 脈打つ速さで ゆっくり交互に まだ迷って…

雨が濡らす 傷を浸す ただ感じるだけ ふと振り返る 音もなく、大人しく 影は影を含む じっと見てる 大切かもしれないしそうじゃないかもしれない 自分が目覚めているのかどうかわからなくなる 虹の輪 何のための音楽? 遊ぶために遊べ 夕日の赤 もっと心を開…

まどろみ

行けるところまで行ってみよう 魚になって 虹の輪っかをくぐって 水中に吹く風に揺られて 降り注ぐ声 染みついた匂い どんなに遠く離れても 痛みや苦しみに意味を追加する 海底2万マイルに人工衛星の光 まるで捨てられた子犬みたいに 廻る廻る 心臓の力 ゆる…