日報

あるいは遺書

りゅう

夜を食べる

夜の海


ひそやかに


蠢いている


月の光


新しい嘘


金網越しに


確かめて


屋上に昇って


少しだけ心を開いた


誰もいなくなる



今日も暮れていく


街は呼吸する


透明なまま


綺麗なまま


知らない


なんで歌うの?


反響する


夢と現実の境目を失くす


もう気にしないで


大丈夫だから


歩く、歩く


自動販売機の明かり


擦りむいた膝小僧が痛む


路地裏に悪魔が立っている


真実は一つじゃない


なんとなく帰りたくない


若くして命を絶った詩人


小石を蹴る


記憶は正しくない


清流


宇宙の鼓動に合わせて


太陽の周りを廻る


連れていって


ブランコは揺れる


感情の靄


ひんやりとした風が


皮膚をもっと柔らかくする


わたしはわたしじゃない


言葉が追いかけてくる


笑いながら逃げる


誰にもわからない


寄せては返す音がする


歴史は繰り返す


積み上げたものを一息で崩す


肯定


戻れなくなってしまった


地下への階段


見ていてね


どこか遠くへ


こんなに近くで


森はざわめく


長いお別れ


窓の外では季節が巡る


何もかも飲み込んでしまいたい


理由のない悲しみを包む