日報

あるいは遺書

りゅう

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

酷く悲しい砂きらきら 俺は書く 漂うくらげのような 生き物の気配、毒々しい鼓動 透かしてみる未来と過去 おばあちゃんの畑でとれた茄子とか あの陽射しのあたりかた ゆっくりと坂を下っていく不格好に 架空の闇がくる こたつでみかん食べながら年の瀬を眺め…

あの人の誕生日を過ぎて 少しだけそれに気づいた 脳は数を数えるだけ できるだけ背筋を伸ばしていたいと思う 言葉にできないしするべきじゃないようなことを 言葉にし続ける繰り返し 何かに追われるように ついさっきまで夏だった それが意味を形作る前に逃…

細い雨が降っている 閉塞感が怖い 透明な場所で 記憶の窓を 手を伸ばせば 自動的に くだらなくてもそうじゃなくても バラバラになればいい 全部特別だから 跳ねる夢 悲しみに触れたい なぞっていく 追い越して 風になっている すれ違う瞬間の熱を 井戸の底の…

え、つまりブラックホールってこと?

知らせる 時を、季節を 言わなくてもいいこと 右足、左足 誤魔化して笑ったり どこにも行かなくていい 音もなく落ちる テレビから新しい戦争の話 麺をズルズルとすすりながら なんとなく疎外感を感じていた 記号のような街 洗脳されてたのかも 木の葉がひら…

偶然そこにいたから 抽象的なものの重なり 睫毛が震える 青、列車 他の人になったみたいな 緩やかな坂道 何か作って君に見せたいと思った 穏やかな呼吸のイメージ ぼーっとしたまま人生が終わってもいい スーパーのレジの長い行列 西日の射し方が残酷だった …

道で偶然

順番にやっていけばいい そうすればいつか終わる 窓枠から光 目を閉じて目を覚ました そのまま少し歩いてみた ほんの遊びのつもりで 腐った肉を蹴り続ける 笑うな 透明な粒子 さらさらと流れる感覚 子供に戻れたら何する? そんな使い方をすれば壊れる 記憶…

フィクション

夜の音 均衡が崩れる 頭の中がいっぱい 冷たい風 バラバラになったわたし 昨日のことをもう忘れる 太陽のような痛み 他の誰かになりたかった 脆い 真実は全部嘘 理由はいらない 扉が開く音 無理して笑顔で 夕焼けの匂い 誰も望んでない 煙を吐き出す いても…

空想癖

目覚めた 閉じる 30日 悪夢は交互に 誰も悪くないのに そばにいてね 光の筋を辿って 祈りの蠢き ただ生きているというだけで 細胞は代謝を続ける 風で頁がめくれていく 最初に羽ばたいた日 誕生日 確かな嘘をもって 大切なものをすべて失くしても 君が君じゃ…

魔法のようにそうなる

心臓の裏側で咲いている赤い痛み そこにいられると邪魔なんだけど とても遠くまで染み一つない空間 おもちゃの飛行機を飛ばして遊んだ 生きようとする身体 水に映る月みたいな 音もなく壊れては組み立てられる 勝手にそうなる どうしてもそうなる 魔法のよう…

諦めたい

別に何もしなくていい そこにいるだけで何かが起こるから サボりすぎたような気がする 朝の射し込む光の欠片を握る さっき見た夢を忘れる 自転車に乗って 最後までちゃんとしようだなんて 真昼の月 頭がおかしくなる 約束の余韻に揺られて 冷たくて温かい 別…

陽気な顔をしたライオンの乗り物

懐かしい感じの もふもふの動物の 冬の晴れた日の公園 おもちゃの飛行機を飛ばした 全然聞こえない どうなっても構わない 痛くないように一緒にいよう 陽気な顔をしたライオンの乗り物 白と黒の鍵盤の間を縫っていくように 神さまの影をふと見る 毛布をかぶ…

笑顔 耳鳴り 煙草の匂い 犯罪者予備軍 いつまでも土手に座っていた さっき見た夢がどうしても思い出せない そよぐ風にさらわれて 膨らんでいく 空と海が逆さまになるような 君の一部になれたら 欺く たまに脳みそが止まる そう思ってしまうことに責任なんて…

脈打つ約束

自転車で、二人乗り、みたいな? 間違えてはすぐ転ぶ 太陽はやってこない 比喩としての月も冷たい あの部屋に置いてきた 脈打つ約束 入れたり出したり 謎の行為 それ本当に必要なんですか? それ以外に生きる方法はないんですか、何か 何かが足りないから生…

おいしいカレーをつくりたい

何が言いたいのかわからないまま終わる 風の方向に耳を澄ます 進むべき道はしょっちゅう変わる そんなものだ 誰でもいいから誰かに会いたい 皮肉ばかり口にしてにやにやと笑うな、過去の自分 いい曲が書きたい 山小屋で暮らしたい 雲が流れていくように 私は…

花瓶に花を立てるように

窓を開けたい 手紙を書くためには 死にもっと近づきたい あなたが誰なのかまだ知らない 感覚を通す管 永遠の中で迷子 カラスがついばむ袋 人工的な曲線 やりたいことがいっぱいある とりあえずまずは裸になりたい 木立のざわめき もうこれ以上痛いのは嫌だ …

ぐるぐるしたのが見える 力が入らない 戦いは終わった 空の底 金色の風、きらきらと 取り戻そう 屋上で煙草を吸っている 季節を呼んで しんとした水の冷たさ 夏休みが終わる 彼岸と此岸を行き来する うわ言を言い続けて今日も日が暮れる 大切なものはなかっ…

瞑想

鬱病になった猿 変わり映えしない風景 マグロ漁船に乗ってるみたいに 田んぼに頭から突き刺さる 月だけが見てる ジャングルジムのてっぺんで か弱いクリスタルを殺すな 抗議します それは本当の嘘 気怠い塊以上にも以下にもなれないのか ブックオフでドラえ…

時間の川

生活の残骸を 組み立てて 冬の朝 さっきの夢をいつまでも引きずる 聴こえる 心臓の鼓動を確かめる 試してみたくなる 洗濯物が風に揺れる お祈りの言葉 一斉に鳥が飛び立つ 思い出したくないことばかり しんと冷たい水の中で 光が曲がる 不規則なゆらめき ま…

2000年代初頭の暴力の痕 糸が絡まったりほぐれていくのをただ見る 人生なんてほとんどどうでもいい 窓枠の光とか上空の鳥の影をただ見ていたい おいしいカレーを作ってみたい 寒くなってきたから、風邪などひかないように 今どこにいるのか知らないけど 車輪…

何一つ新しくない一日 病院の古ぼけた白 花瓶の花 窓越しの朝 急速に熱を奪っていく ここにいるのにいない これ以上伝えたいことなんてない また飛行機が飛ぶ 体温を測る 取り残されていく感覚 肌がざわつく 身体の中の星がぐるぐる回る 出かけよう 帰ろう …

君の住む町から吹く風が

カフェイン 日々のひび割れに沿って 川は流れだす 美しい人 記憶を壊す 病気が治ったら お墓参りに行きたい それから、読みかけの小説を 弾む息 魂の抜け殻にそっと触れる 電車は通過する、定刻通り 数を数える 毎日詩を書く どうでもいい夢 優しくしてもら…

麻酔

記憶が降る夜 0に近づく あなたは祝福された子供 長い眠りの中で またあの場所で 柔らかくなりたい 白い指先 奏でる形 愛したいのに 土星の環みたいな 今日も寝言 心臓の裏側で咲く 真っ赤な花 鋭い痛み 温かい陽射し どこか遠くへ 目的地はないけど 洗濯物…

反出生主義

少しでも役に立つ人間だと思われたかったんです 鏡を割る儀式 誰でもいいから自分以外の誰かになりたいと思う時がある 深い底の世界で ふわっとなる感覚を探して 電線に止まっているカラス もうこれ以上契約をしたくない 電車に乗る 静かなまま 大丈夫です …

冬の朝、熱いシャワー 学校に行くべきではない 何もかも終わった後の家で ロックを聴いて育った 精子と煙草の匂い わからない 自分が今何をしようとしているのか 日記を書く ブラックホールに吸い込まれる 暴力 日々の揺らぎ 感情を感情と認識するまでに時間…

終わり

残された人のための歌 冬の朝、コーヒーの湯気 鏡に映る名もない塊 嵐が過ぎ去るのを一生待っている ぐるぐる回るだけで他は何もない 知らない間に優劣が決まっている 人間は多分減った方がいい 自分以外存在しない国 お父さんとお母さんが離れ離れになるの…

葬送

急に何もかも処分して 時計仕掛けの 白と黒の狭間で 小学生のころから疲れたが口癖だった 鼓膜があるのに 鳥が風を切る時の姿勢 呼吸する街の只中で 雨を乞う 雫を食む 木立のざわめきに連れていかれ 見当識障害 電子の海を回遊 終わってることに気づいてな…

沈黙を奏でる指

柔らかい 崩れ去る白 こんな日を待ってたのかもしれない 昼間からビールでも飲んでへらへらしてたい 細胞と細胞の知覚できない相互作用 鳥だった頃の、魚だった頃の、花だった頃の記憶 痛みや怒りが弾む 洗濯物が風に揺れる わけもなく走り出す小学生 トンネ…

日溜り

神さまを集める 小さな光 好きな耳鳴り 今日も野菜スープを飲んで カーテンが影を揺らす ここにいることは正しい いつか宇宙船がやってきて すべてを終わりにする 愛に覚悟が必要だなんて だけど取り急ぎ生活に強度が必要 夜よ、ギターを鳴らせ 橙色から深い…

飛行機

綺麗にしたい、今からでも 澄んだ秋の空 透明な魚 沈黙の匂いを嗅いで お墓参り 冷たさを抱きすくめる 心臓の鼓動 不安の濃度が高まる前に でも最初の一行が書けない 気づくと見知らぬ場所にいる できない 改札口から吐き出される人々を眺める 風が頬を撫で…

冷たい意味

自分が本当に全然大したことない存在だったとしても それをやり続けろ なんだか懐かしい夏の映画 日々は続くのか 曖昧に相槌を打った 身体が疲れている 何かに憑かれている 焦らないで 傷だらけの家具 ウユニ塩湖絶対行こう 誰かが戦争を始めてあのブロック…