日報

あるいは遺書

りゅう

細い雨が降っている


閉塞感が怖い


透明な場所で


記憶の窓を


手を伸ばせば


自動的に


くだらなくてもそうじゃなくても


バラバラになればいい


全部特別だから


跳ねる夢


悲しみに触れたい


なぞっていく


追い越して


風になっている


すれ違う瞬間の熱を


井戸の底の


夕焼けの匂い


手に取ろうとしてやっぱりやめる


その後ろに何がある?


映した瞬間から消えていく


何も持っていない


水の揺らめきだけがある


人の形を持って生まれてきたこと


あの人がはにかむ


トンネルを抜けたら


このまま続けば


後ろ姿


瓦礫に咲く花


あなたは勝手に意味を見出す


あなたのことです


身体は溶けていく


大きなものと一つに


嘔吐


じゃあね


遠くなる


ずっと黙っていたい


信じていたものを手離す瞬間


またやり直し


白い影