日報

あるいは遺書

りゅう

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

知りたい

透明な 周波数 数えて 連れていく 約束は どこにもない 夜がくる まわるから 窓を開けて いつ? トンネル 散りばめて 波の呼吸をする 天使の翅 戻れる ここにいたい 教えて 感覚が裏返る 小さな手足 望んでいたの? 声、声、声 さざめき 大切な悲しみ 抱き寄…

温かいかなた

ひかりをつくろう 君にしか聴こえない音 抱いて 風の意味する まだ 形のない夜 結晶 トンネル、海 たくさんの風景を見てきた 誰かの 彼らの 指先に願いを込めて 静かに鼓膜を震わせる 呼吸を散りばめる 花をあつめて 名前を忘れて 木漏れ日の真っ白な 透明な…

満ちる

海辺にいる 海辺に舞う 太陽の欠片を拾って うちにかえろう 時間のふるさと 幾何学模様を描く鳥 照り返す 花をあつめる 風を飾って 何か知らせる 潮が満ちる 声の温度が 未知しるべになって あなたの眠る場所まで 連れていこう 凍る夜の子守歌 未来の反射 反…

新しい鳴き声

膨らんでいく 真夜中の光 迷子の天使 行ったり来たり 冷たい窓 ふわふわ 環状線 かたかたゆれる 誰に会いたい? 右と左 食べて 普通の日常 うごめきを感じる 胸に手を当てる 飛ばされて 羽ばたいて つかまえた 遊ぼう 優しい歌 やわらかく受け止める 風を使…

サーカス

自由になりたい ずっと君と遊びたい 人を傷つけるためにつくられた道具で 家を出る前に靴ひもを結んで 同じパターンを繰り返す 扉を閉める 倒れる 水面の光を逆さから見下ろす 祭りの痕 落ちて腐った花びら 同じ揺らぎの中にいられた だんだん色を奪われて …

傷の入り口

冬と春 君を待つ 指の間から こぼれる 晴れた日 モノクロの記憶を 愛でて 目と手 融解して混ざる 古い時計 反射する光 輪になる 詩ぬとき 考える機械 バカみたい、笑う トンネル、海 傷の入口 もたれかかる 柔らかく受け止められる 新しいいのちをもらった …

キリエ

かげり ひかり たましいのゆらめき 水中に沈める オルゴールの子供 融解する 夕日 まぼろしの痛み 幽霊の眼差し あなた 言う 遊ぶ どうせなら 綺麗に損なう そこにいく前に 羽ばたく動作 同じ輝きの下で 繰り返し シンメトリ 増殖 気持ちいい 未来と過去が合…

ここにおいで

陽だまりへ 旅人と 好きなもの 透きとおる かざしてみる 飾ってみる 花の匂い 風の匂い 海の冷たさ、温かさ 知らなかった 沈む 白と黒のあいだ 君の背中 小さな渦 小さな振動 もっと弱くなる 記憶をなくす 手のひらの宇宙 まわる 素粒子が見える 窓辺 満ちる…

無題

聖域 滴る 赤い雨 砂浜で貝殻を 沈む 見失う 時計の針を戻す仕草 まだ子供のような 匂い 新しい世界を待つ 取り返しのつかないほど混ざる 君の悲しい気持ちを大切に扱う 深海の部屋 どこからか降る 光の粒を見上げる 意識の中を歩く 神さまに会えるといいね …

すべてを手放したあとに残るもの

絡み合う風と熱 虹の白い部分にめがけて もっと息がしやすいように どんどん詩を空に投げ捨てる たのしい 桜並木に沿って ピアノの粒を配置して 反復する鼓動 人形たちが歌いだす 透明な周波数 大人になったり子供になったりできる たのしい つばさをひろげ…

指先

コーヒーの白い湯気を見ながら あらゆることが簡単に思える瞬間 わたしたちはもっと優しくし合いたい、できれば カーテンが春の風に揺れている とても遠くから響く声を聴くことができる 地球が球体であるということ トンネル、海 反復する鼓動 愛しい沈黙を…

動物

触れた瞬間に壊れる硝子 幽霊の時間 繰り返し子供を沈める こんなことがしたかったわけじゃない かくれんぼをしよう 窓に映る自分の影 どこかに運ばれてしまうことが不安だ すべての感覚を遮断された死者 閉じた輪に憧れて 言葉を紡いでももう遅い 想像した…

どこにでもあるどこにもないもの

温かい部屋にいて とめどなく存在をなくしながら 不思議な回路をつくっている あらゆるものに命を吹き込む 夕凪のはるか遠く まだ出会ったことがない 頑張って生きてる 他のものはいらない 影 風の吹く方 時計回りに 心臓のまばたき 現実を凍らせる 不安定な…

デオキシリボ核酸

花びらをあつめる 時間を戻すように 陰影に抱かれて 何度も同じことを繰り返すうちに 夢と現実の境目は混ざり合って 思ったことだけが本当になる 本当の嘘になる 太陽の周りを回る日々 匂いに敏感になる 何気なく漏らした吐息の中に デオキシリボ核酸 事象の…

泳ぎ方の練習

冷たい波動 海のような オルゴールの青い 空気を震わせる どんなに遠くても 同期する 宇宙の子ども 何して遊ぶ? 悲しくて優しいひかり 深いところでゆれる 断片 分け合いたい 音楽はいつでも 窓を開ける 透明な風 やわらかなリズム 灰色の空を駆ける鳥 すべ…

今日と明日を繋ぐ動物

落とした 音がした 金色の夢の中 君はそれを大事にしていた もうすぐ赤ちゃんがくる 窓を叩く激しい雨 虹の白に近い部分 深く深く祈ったことはあるか 止められないうねり 友だちを殺してまでやりたいことなんてない 悲しみを抱きしめたいだけ 自分を責めない…

無題

白い夕日 なくなった 凍る夜の歌 混ざったら 透明な声 体内に吹く風 記憶を受け取る 子供のころの君に会いにいく ほどけていくのがきもちいい トンネル、海、桜並木 遊ぶために遊ぶ 温かい水のゆらめき あなたは誰? 損なう 空を飛びたいと強く思った 江ノ島…

透明

双子の星 君の糸を食べる 幼少期の陰影 静かに震えるまぶたの裏の世界 青い蝶がひらひらと舞う 時間を遡るようにして 君に会いにいく たっぷりと水を含んだ細胞が 飲み込んでいく 素粒子たちの不思議な踊り 愛と喜び 頼りない天使 窓を開けて空と繋がる 0と1…

いちばん青い場所で

鍵盤の白と黒 星の波動 夢と現実の境目 静かに佇む影 一つ一つの信号を 大切に 食べて 人形が歌いだす カナリアの声を真似て 子供のころの自分 鏡の国で 殺されて 大切に 時計仕掛けの ゆっくりとまわる 見えない 戻りたかったね いちばん青い場所で みんな…

不安定

不思議な眼の魚が 小さな鈴の音、未来から 遡る、翻る 待つ、都会のざわめき 億千万の鼓動 淡い日差しの虹に触ってみる 正しいと思ったりそうではないと思ったりしている 右足、左足、交互に、誰? 不安定 精霊は意志を持たない 記憶の一部分が締めつけられ…

陰影に抱かれて

目覚める金色の粒子 今はそこにいないのだとしても 人を殺すためにつくられた道具 映像 風景のまばたき 幼児期の面影を微かに残した表情 好きって言いたい 朝と夜でまるで違う世界みたい 怒りを増幅させる装置 窓辺に横たわる 季節の精霊は意志を持たない 握…

君の透明を誰も汚すことはできない

部屋が呼吸に満たされる いい匂いのする水だ きっとうまくいく からだがこわれていく 大切なものを大切にしたい 欠片、風景、さらさらと流れる 灰色の空に悼む この悲しみは誰とも共有しない 手と手を重ねる 一番遠い場所とつながっている 二重螺旋を描きな…

空へ落ちていくもの

陽だまりの午前に 葉脈を透かして 息もできないほど これは何だろう 水の中にいるみたいだった 諦めるのも悪くないと思った 魂の震えを知覚する 時計の針を少し進める 昨日と同じ歌を口ずさむ あの記憶 トンネル、海 粉々に割れた硝子みたいになりたい 君に…

西陽の射す部屋を温かい水に沈める 強く打つ鼓動が道しるべになる 君にしか拾えない言葉にさわる 髪が風にゆらぐ オルゴールのねじを巻いたら もう一度あの記憶を再生しよう 祈るように小さな翅をひろげた 皮膚の震えかたで音楽を知る 白い深い虹、遠くの、…

忘れていた約束

冬と春の混じり合った朝の気配 失われた海の上で目覚めて 羽根があったらいいのにと思った さざ波とひとつになる 鼓動の上に静かに音符を乗せていく 誰もいない 窓枠から光 虹色に光る白に近いところに触る 生きている人も死んでいる人も 昆虫の足音 誰から…

透明な部屋

青白い部屋で 粒を拾う 音の階段は無限に近づいて 風が洗濯物を揺らした 優しさ 悲しみ 窓辺の雫を食べる 廻り続ける奇麗な玉 もうすぐ赤ちゃんがくる 静けさの準備をしている 透明な言葉を発音する 時計が針を刻むのが愛しい 満ちる慈しみの波 わたしの中の…

手づくりの光

さっきまでそこにあった温もりが 何かを示唆しているような気がした 天の川の白い靄をいっぱいに映した下流の方まで このままいなくなりたい 淡く青く滲んだ街 透明な膜を被せる、幾重にも幾重にも 神さまの香りがした からだはもう冷たくなって 膨らんでは…

神様の音階

あの懐かしい 白いところにまた行きたい 清流の底に花は揺れて 光る海月が風に飛ばされていく がらくたの山に腰掛けて ゆっくりと錆びていく匂いを嗅いだ 誰かがわたしに歌をもたらした ここにあるものとここにないものの差分が 神様の音階となった わたしは…

やさしい

青や橙色の淡く霞む空 金色の風のそよぐ丘 天気輪の柱に沿って 誰もいなくなった後 ここは夢の中の世界 水底の石のように 夜を切り裂く鳥のように 春の幽霊のように やさしい言葉を使いたい 光の粒ひらひら舞う 次のページにいこう 自殺した朝 天使の羽を分…

無題

渦を巻く内部 白い湯気が消えていく 木立の蠢き 何一つ必要なものはない 時間は流れ続ける ささやかな贈り物 夜が手を伸ばして 想像もできなかったようなこと ずっと昔からここにあるもの 何もかも忘れて動物のように泣きたいと思った 永遠に間違ったまま 微…