日報

あるいは遺書

りゅう

空へ落ちていくもの

陽だまりの午前に


葉脈を透かして


息もできないほど


これは何だろう


水の中にいるみたいだった


諦めるのも悪くないと思った


魂の震えを知覚する


時計の針を少し進める


昨日と同じ歌を口ずさむ


あの記憶


トンネル、海


粉々に割れた硝子みたいになりたい


君に関することならすべて受け入れたい


言葉、言葉、踊るように


世界は終わらない


だって世界だから


ビー玉を転がす


影を踏む


水の中にいるみたいだった


年をとるのも悪くないと思った


白い湯気が音もなく消えていく


空へ落ちていくもの


未来を懐かしむような感覚


まだ出会ったことのない友だちを思いやる


君の声がつくる柔らかいゆらぎ


君だけがつくれる


花を飾るときの気持ちで


よかった


平等ではない命のすべてを平等に許すために


春はくる