日報

あるいは遺書

りゅう

君の透明を誰も汚すことはできない

部屋が呼吸に満たされる


いい匂いのする水だ


きっとうまくいく


からだがこわれていく


大切なものを大切にしたい


欠片、風景、さらさらと流れる


灰色の空に悼む


この悲しみは誰とも共有しない


手と手を重ねる


一番遠い場所とつながっている


二重螺旋を描きながら落ちていく


意味が分裂してはくっつく


透明な膜が街中に覆いかぶさって魚の人みたいになる


壊すのはたのしい


愛をください


可聴域を超えた音が脳みその中から聴こえた


ねじれたりひっぱられる


夕方のチャイム


その笑顔が何よりも尊い


絵を描こう、らくがき


世界が壊れたとしても別にそれでいい


金色の風を浴びて


静かな喜びをあつめて


太陽の欠片を飾って


虹の白い部分にさわろうとする


ページはめくれていく


伝えそびれたこと


守れなかった小さな約束


暴力と愛の境目


君の透明を誰も汚すことはできない