日報

もしくは遺書

りゅう

言葉のない夜

帰らなくちゃ


雨が逃げる


じっとしていたい


揺らしてみる


二足歩行で


母親に怯える子ども


台所の陰は優しく


光の縁取りを教える


終わり


さっきまであったのに


喉の奥が少し痛む


結合部は柔らかく


展覧会に誰も来ない


数えるのをやめてみたら?


それも勇気がいる


海のように


時計が進みすぎる


ただ酔っていられればいい


そういうものだから


テーブルが濡れている


誰かが横切る


憂鬱とともに生きていく


終わらない


恥ずかしい


いなくなりたい


疑ってごめん


暖かくなったら遊ぼう


言葉のない夜


中学2年生のまま


身体の中から何かがやってくる


好きじゃないからもうやめたい


自分以外の全ての生き物


静けさの中で目を覚ます


太陽を浴びたい

 

失われた身体

糸がほどけていく


現実にはない場所で


泣いて叫んだ


白い、赤い、黒い


光が交差して


勝手に花が咲く


あの惑星に行きたい


重力によって感情が波打つ


思い出しては忘れる


失ってはその影を撫ぜる


身体であるということを言う


言葉から意味は剥ぎ取られ


時間だけが癒し傷つける


もう一回やってみよう


そうやって進む


閉じ込められた時


助けを呼ぶ声を持っている


鋭利な刃物


やわらかい響き


誰もいない図書館


喋る猫


海辺の町で静かに暮らす


アスファルト、土埃


脈動と同期して


意識は揺れる


やり直したい、いなくなりたい


走る、止まる、しゃがむ、立ち上がる、振り返る


倒れる、空を見る


相互作用


惹き寄せ合うちから


わたしたちは知っている


輪郭をなぞる、皮膚を確かめる


愛おしむように、慈しむように

 

話がしたい

見ていたい


そばにいて


壁のないところで


誰に許されたかった?


そんな顔しないで


灰が落ちる


夕暮れに近づく


それだけでいい


相反するものがぐるぐると回っている


惑星のように


もうすぐわかるようになるから


身体を横たえて


痛みに耐えている


絶対なんてことはない


大きな穴の底で


星空を見上げる


不意に名前を呼ばれ


何かの間違いのような気がしている


もっと真実に近づく


それなら駅で待ち合わせしよう


夕方5時


改札口から吐き出されるたくさんの人


同じように息をする


窓を開けて頬を寄せる


大人になって


子どもになって


川が流れる


雲が流れる


知ってる


忘れた


同じような傷がある


でも全然違う


そばを通る全員と話がしたいと思う


うつくしい夢


なつかしい風