日報

あるいは遺書

りゅう

わたしはどこかへ消えていく

 

ただ雨の音を聴くみたいに

 

天使の存在を信じている

 

だから見る

 

見ることができる

 

おれはおれの身体を

 

ただ行きたい方へ行かせる

 

標識は煤で汚れて

 

蔦が絡まった家が崩れかけている

 

脳内物質

 

いやだ、と言う

 

そうだね、と言う

 

鳥が飛んでいく

 

そんなこと考える前から分かる

 

美しい人

 

匂いも声も

 

何もかも通過して

 

痛かったことも忘れちゃう

 

海の深さも知らず

 

月の裏側も見ずに

 

五月の光を楽しみにしている

 

君がくれたメールを読み返す

 

それだけでいい

 

わざわざ悲しいふりをしなくてもいい

 

車輪は廻る

 

孤独を味わう