2023-04-15 ■ わたしはどこかへ消えていく ただ雨の音を聴くみたいに 天使の存在を信じている だから見る 見ることができる おれはおれの身体を ただ行きたい方へ行かせる 標識は煤で汚れて 蔦が絡まった家が崩れかけている 脳内物質 いやだ、と言う そうだね、と言う 鳥が飛んでいく そんなこと考える前から分かる 美しい人 匂いも声も 何もかも通過して 痛かったことも忘れちゃう 海の深さも知らず 月の裏側も見ずに 五月の光を楽しみにしている 君がくれたメールを読み返す それだけでいい わざわざ悲しいふりをしなくてもいい 車輪は廻る 孤独を味わう