日報

あるいは遺書

りゅう

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

もっとそばに

逃げていく 雨の日 あるのは階段 小さな目 祠にたどり着く ごめんねと言う 誰もがそう言う 何か光るもの 底の方へ 橙色の空 逆さまにして 遊ぶ神さま 幼い子 笑う 煙のようにいなくなる 頭痛 身体の中に水が流れ込む 鳥がさっと横切る 夏の影 トンネル もこ…

焼野原

炎 ずっと 冷たい 女の子 あの丘で 待っていた人 輪廻転生 十字架 見えない 見るために 見失う 未知なるもの 雨の音 どこまでも両手を伸ばす 雨粒が皮膚を穿つ 温かくなりたい 心臓がぎゅっとなる どこまでも遠い 待っててね 必ず行くから 透明な体 花束 夢…

世界で一番遠い場所

祠だ やまない雨 今から叶える どんな風であっても そこにある 光るもの おいで 歩道橋が揺れる ガラスが砕ける 立ち止まったまま 必要なものは何だろう 時計の針が揺れる 心臓が痛む 街は一つの大きな影に覆われて 帰れない 意味がない 果てのない旅 鈴の音…

複数の自分

肉体を授かる 糸が見える 雨が降り続く そういうのが好き 壁に向かって独り言 笑ったりする 怒ったり 天国に近い場所で 何か合図する 光る球体 ここから出して 0に近づく 何もわからないまま 知らない番号 誰かから誰かに宛てた手紙 これも何かの感情だと思…

あなたの中のわたしへ

たくさんの偏り その一つ一つが 夢の中で見た 穴 何でもできる 屋上に昇れば 雨が降る 必ずある地点にたどり着く 冷たい風 全部を白くする 新しくなれる 神様のように 虫のように 正しくなくても 発声することを やめなくていい 君は歌を歌う 包み込まれるよ…

望みをかなえる

0に近づいた時だけわかる そしてまた忘れる 知っている景色 知らない人 まだわからない 窓辺の水滴 偶然描かれた図形 覚えているわけがない 印の連続 この世界が続く限り 赤ちゃんのように泣きたい いつも上から見ている 望みをかなえる 霧の中 信号機の点滅…

祈りの終わり

どこまでも 同じ不安 記憶喪失 粒子が震える 窓がカタカタと鳴る 横たわる もっと知りたい そうしないと あの入り口に立って 濃い煙 その始まり 手紙が燃える 誰かの傷 新しい墓 まだ誰にもわからない 透明な風さらさら こんな風に死にたい 愛していると伝え…

内と外

もう一度言いたい 誰かを殺す声 砂場で作る 喜びと悲しみを繰り返す 交互に 右足、左足 どうなっても構わない 変わらないから 学校のチャイム 車が通りすぎる、何度も何度も 苛立ち 5歳の迷子が母親を呼ぶ 波紋のない水面 鳥の影がさっと横ぎって 手を伸ばせ…

物語へと

光の端っこ 握りしめて 遠くの声 背景が蠢く 誰かに会いに行く 恐竜の時代 まだ知らない 屋上から見た景色 あの窓へ 今日と明日 呪文のように 一つずつ 星を散りばめる 炎が揺らぐ 裸のまま 心が壊れそうになる 触れたことがない 鏡の向こう 跳ね返る音 似て…

乞うように 繰り返す 気持ちよくて気持ち悪い 今を薄めて 過去と未来が入り混じる だんだん失くす ロープをほどく 船は流される 底の底まで 神経が発火する どんなに些細な信号も 痛い 月の夜 何がしたいのかわからない ビルの屋上 初めて自転車に乗れた日 …

受肉

昨日の夢 天体の動きを真似て どこか遠くへ 消えてしまいたい 風にそよぐ 眠りたい 迷子の子ども 音楽が好き 受肉 太陽の欠片が冷たく刺さる 可能性の煌めき 透明な息をする たくさんの世界を巡る ここから出られない 空の高さを知る 葉脈に沿って 帰れなく…

まだ行ったことない場所に行き、まだ読んだことのない本を読む もう俺の人生それだけでいいな

声がする 途切れ途切れに 全部を包む 戦争が始まればここも 電気を消す パラパラとめくる 記憶が壊れていく どこにもないもの 誰かに会いたい 行かなくちゃ 階段が出現する あんな暗い底の方へ消える 白い景色 今日は雨か 線路が続く 規則正しく 言葉がずれ…

青い夕焼け

ある記憶が跳ねる 白い窓 木の葉 どちらでもないもの コーヒーを飲む 嵐になる 太陽の周りを回転する どんなふうに呼ぶ? 青い夕焼け さようなら 怖かった 子どもの心で 命を食べる 排水溝が渦を巻く 慎重に生きる まばたき 今はゆっくりと考えていたい どこ…

誰かの誕生日

月 元の場所に戻る力 夜のひまわりが風にそよぐ 煙草に火をつける このまま消えたい 鏡を砕く 透明な気の流れ 宇宙のどこかに繋がっているという紐 手繰り寄せて 頑張る 空中にいるような気分 屋上から地面までの 今は自由だから やりたいことをやる 土の声 …

人を殺す夢

疲労感が足に纏わりつく 遊ぼうよ メリーゴーランド どこまでも続く階段 お金がないから いつも迷惑ばかりかけて 白い 容易く忘れていく 海に行きたいとふと思う 天国の扉 思い浮かべる 頭の中の小人 誰とでも仲良くしたい 君の喜ぶ顔が見たい 逆再生 人を殺…

直射日光

不安 植物 色に鮮やかさが混ざる 冷たい風 音と光 車が通る グラウンドの土埃 体育座りの少年 さっきまで見ていた夢を忘れたと言う 言葉が恐い 火をつける 部屋が狭くなっていく 信じられるものが少なくなる テレビ 変化しないものはない 途方もない 街にい…

梯子

空中に浮かび上がる 泡 魚になった気分 影を落として 音がする 大丈夫 この旅が終われば またすぐに次の旅が始まる 今目の前に見えているもの いる人 記憶の彼方でも 最果てでも 子どもの頃から変わらない 約束はしない 透明な風が吹き抜ける 0に近づく 呼吸…

影の形

窓を開ける 風が吹き抜ける クリーム色のカーテン 見たこともないような虹が 木漏れ日のように揺れている 誰もが空にレンズを向ける それを後ろから見る 遠い夢 知らない間に引き寄せられて もう取り返しがつかないほど 心の形 静けさに包まれる 本を読む 時…

長い夢

鳥の群れ ぽつぽつと影 さっと横切る 屋上に昇れば 青い風 思いつき 水を飲む 背景は適当 行先も適当 何にでもなれる塊 泥団子 白い朝 どこかの家から声がする 天井の模様を眺める 静けさという音 100年後、1000年後 鉄塔がそびえたつ 長い帰り道 これ以上捨…

痕跡

弱い光 ようこそ 静かな浜 女の人が歌っている 白い貝殻 誰もいない、誰もいない 名前もない 繰り返す呼吸 あてもなくふらふらする 存在する 空の高さ、森の深さ 波紋が広がる 自分じゃない誰かの記憶 神経の底の底まで冷やす 鍵穴を覗き込む 傷が癒える 影…

冒険

風が吹いて カタカタと音が鳴る わざとそういう風になる 少し笑い合う 未だ知らない風景が 瞳の奥の方 手を伸ばして 塀の向こう きらきらと煌めく埃 花は首を傾げる 歩道橋が揺れる 5歳の哲学 呼吸の感覚 夏の白い影 言葉と形が反転する 眠れないまま 数を数…

白く彩る 揺れ動く影の形 透明な深さ まだ知らない バス停で待つ 日を照り返す小さな埃 まだ見えない 運ばれていく 漂う 花の匂い 橙色が降り注ぐ 大切なことは何 耳鳴りが止まらない 嘘と形が混ざり合う 境目に手を伸ばして 0に近づいていく感じ 壊す 特別…

愛している 記憶の端っこ 底まで歩く 知らなかったことを知る 冷たい窓辺 あの人に会いたい 階段のねじれ方 同じ犬を飼っている 同じ空を見上げている きっと 風で頁がめくれていく 揺れ動く木漏れ日 橙色に、青に、変化する 皮膚の感覚 注意して その笑顔が…

酔う 心臓に手を当てる 子どもの輝き 昨日の嘘 まだ棒の横で ただ座っている ひっくり返す 見えないものが見える 膝小僧をすりむく トンネル 魂の喪失 美しい咲き方 愛の中心に手を伸ばす 呼吸が乱れ始める 螺旋階段を降りていく 青い風 見つけられない でも…

最初で最後の日

何かを間違えている ボタンを掛け違えている 違和感が膨らんでいる そのまま夏になる 扇風機にあーーーって言う お風呂でハーゲンダッツ 呼吸をしている 神様の顔を思い浮かべる 球体だろうか 事実を取り違える 目の前にあるものの形もわからず 幸福について…

国旗

水たまりを長靴で踏む お母さんがいなくなる 太陽にじかに触れる ずっと前から知っている 痛みと快楽は似ている 歩道橋を渡る 可能性を信じる 頼りない笑顔 言葉の切れ端が傷つける グラウンドに砂埃 またあの景色 夜中に目覚めて呼吸を整える 今はこうして…

眠りの中で ほどける 水中の草 開いては閉じる 学校のチャイム 記憶の集積所 どうしてもどこかで それに触れたい 柔らかくて温かい 考えたくない じっとしている魚 もう戻れない 手のひらを重ねる さっと通り抜ける 2秒間の歌 心臓に手を当てる 天井が近くな…