日報

あるいは遺書

りゅう

愛している


記憶の端っこ


底まで歩く


知らなかったことを知る


冷たい窓辺


あの人に会いたい


階段のねじれ方


同じ犬を飼っている


同じ空を見上げている


きっと


風で頁がめくれていく


揺れ動く木漏れ日


橙色に、青に、変化する


皮膚の感覚


注意して


その笑顔が好き


小さな虫のように


右か左か決められない


祠の前で


遠くの風景


もっと向こう側


不安だけじゃない


言葉にできないことを一番伝えたい


最果ての島


かみ合わないまま手を繋ぐ


泳ぐ


息継ぎをして


反射するプリズム


時間の角度


ずっと前から変わらないもの


両手で包み込むように


微かな温かさ


白い虹


ただいまと言う