日報

あるいは遺書

りゅう

冒険

風が吹いて


カタカタと音が鳴る


わざとそういう風になる


少し笑い合う


未だ知らない風景が


瞳の奥の方


手を伸ばして


塀の向こう


きらきらと煌めく埃


花は首を傾げる


歩道橋が揺れる


5歳の哲学


呼吸の感覚


夏の白い影


言葉と形が反転する


眠れないまま


数を数えながら


好きな人の顔


上手くいくといい


自転車に乗った日


アスファルトに寝そべる


本当は空にも手が届く


緩やかな坂


橙色が降り注ぐ


何度も、何度も


渦を巻く気流


自分を癒し、傷つける


大冒険


倒すべき敵もなく


貝殻の音を集める


湖に映った空


世界の果ての光が今ここに


手のひらを重ねて


雨が降ったら傘をさして