日報

あるいは遺書

りゅう

影の形

窓を開ける


風が吹き抜ける


クリーム色のカーテン


見たこともないような虹が


木漏れ日のように揺れている


誰もが空にレンズを向ける


それを後ろから見る


遠い夢


知らない間に引き寄せられて


もう取り返しがつかないほど


心の形


静けさに包まれる


本を読む


時間の気流に巻き上げられて


影の形


ずっと前から知っていること


話したい


離したくない


赤ちゃん柔らかい


匂い


星を纏った旅人


潮の満ち引き


同期して


奇跡のように感じる


波紋が広がっていく


柵を乗り越える


あの笑み


物語ではないけれど


映画のように続く


葉がそよぐ


アスファルト、土埃


靴がすり減る


街が見えてきた


回る風車