2021-07-09 長い夢 鳥の群れ ぽつぽつと影 さっと横切る 屋上に昇れば 青い風 思いつき 水を飲む 背景は適当 行先も適当 何にでもなれる塊 泥団子 白い朝 どこかの家から声がする 天井の模様を眺める 静けさという音 100年後、1000年後 鉄塔がそびえたつ 長い帰り道 これ以上捨てるものがない 戦闘機が低く飛ぶ 約束はしない 偶然を信じる 太陽が落ちてくる ねえ、と呼ぶ 身体中が水で満たされる 揺れるたびに光を屈折させる 空色の 魚のように 長い夢 幽霊の言葉 触れることもできない ただ階段を降りていく 二重螺旋構造 ここにいるよ