日報

あるいは遺書

りゅう

最初で最後の日

何かを間違えている


ボタンを掛け違えている


違和感が膨らんでいる


そのまま夏になる


扇風機にあーーーって言う


お風呂でハーゲンダッツ


呼吸をしている


神様の顔を思い浮かべる


球体だろうか


事実を取り違える


目の前にあるものの形もわからず


幸福について考えている


夕焼けがやってくる


外に出る必要がないから出ない


じっとしている魚


揺れ動く木漏れ日


最初で最後の日


後ろめたさと恐怖


季節の逆流


自分を使った人体実験


箱の中の鼠のように


よだれを垂らすだけ


完全な歌は歌ではない


声帯によって押し出される


鋭い刃物


全然何もわからない


自分のものではない記憶


リズムの反復


魚のようには生きられない


寄せては返す波を見る


台所の陰影


膨らみに両手を伸ばす


知りたくないことを知る


もう一度子どものように