国旗
水たまりを長靴で踏む
お母さんがいなくなる
太陽にじかに触れる
ずっと前から知っている
痛みと快楽は似ている
歩道橋を渡る
可能性を信じる
頼りない笑顔
言葉の切れ端が傷つける
グラウンドに砂埃
またあの景色
夜中に目覚めて呼吸を整える
今はこうしていたいから
最後の輝き
噛み砕き飲み込む
0に近づく
止まる
皮膚の疼き
うろうろする
きっと誰にもわからない
パッチワーク
無数の国旗がはためく
青空の下でビールが飲みたい
ふらふらする
ここが最果て
誰かが見上げた星
命の燃え尽きる瞬間を見届ける
幼い親が眠る
安心して
関心を失くして
真っ白な紙
照り返す反射
どこにでもあるもの
どこにもないもの
その全ての声を聴きたい