日報

あるいは遺書

りゅう

もっとそばに

逃げていく


雨の日


あるのは階段


小さな目


祠にたどり着く


ごめんねと言う


誰もがそう言う


何か光るもの


底の方へ


橙色の空


逆さまにして


遊ぶ神さま


幼い子


笑う


煙のようにいなくなる


頭痛


身体の中に水が流れ込む

 
鳥がさっと横切る


夏の影


トンネル


もこもこ雲


排水溝の中で蛇が蛙を食べる


失いたくない


煙草に火をつける


まだ知らない記憶がある


あなたは旅に出る


深い緑が風を浴びて渦巻く


心臓に近い場所


もっとそばに


何もない空っぽ


風景を見せたい


凪いだ海