日報

あるいは遺書

りゅう

陰影に抱かれて

目覚める金色の粒子


今はそこにいないのだとしても


人を殺すためにつくられた道具


映像


風景のまばたき


幼児期の面影を微かに残した表情


好きって言いたい


朝と夜でまるで違う世界みたい


怒りを増幅させる装置


窓辺に横たわる


季節の精霊は意志を持たない


握ったり離したりする


太陽を水中に沈めるように


時間が日々の中で機能している間に


誰からも関係ない場所に行きたい


植物は絶え間なく空を目指す


一回呼吸をするたびに百億もの星が死ぬ


台所で食物を切り分ける


合理的な形に


陰影に抱かれて


ふと記憶に呼ばれる瞬間


くぐってはいけない扉


光でできた街


私がいない間に変化は行われる


たいせつな幻のうた


靴ひもを結ぶ


一生出会うことのない友だちに向けて詩を書いてる


細胞を配置しなおす


別れの温度に包まれる


いい匂いの嘘の風


次はあなたになりたいと思う


綺麗に終わらせられればいいのに


魂の重さを測るように


分身の影と話すように


この物語に手を引かれて