透明
双子の星
君の糸を食べる
幼少期の陰影
静かに震えるまぶたの裏の世界
青い蝶がひらひらと舞う
時間を遡るようにして
君に会いにいく
たっぷりと水を含んだ細胞が
飲み込んでいく
素粒子たちの不思議な踊り
愛と喜び
頼りない天使
窓を開けて空と繋がる
0と1の連なりを眺める
左右対称のからだ
あの日から
神さまの香り
抱かれて
最初の言葉
自分を許す
目に見えない友だち
季節をより鮮やかに感じる
どこかに消えたいような
隠されたいような
君の透明をぼくの透明に足してみたい
誰も知らない記憶の話をしたい
生み出すのではなく変化させるだけ
むしろそれははじめからそこにあって
置き去りにした約束を迎えにいくように
電車に乗って海へ
風に呼応して
皮膚の内側からまだ声になる前の声
追いかけない
それはやってくる
自分が変えられてしまうことを許す
いちばん近いところにある
いちばん遠い星
そのねじれ方を愛している