手づくりの光
さっきまでそこにあった温もりが
何かを示唆しているような気がした
天の川の白い靄をいっぱいに映した下流の方まで
このままいなくなりたい
淡く青く滲んだ街
透明な膜を被せる、幾重にも幾重にも
神さまの香りがした
からだはもう冷たくなって
膨らんでは萎み、何度も繰り返す宇宙
続きを選ぼう
きらきらと廻る色鮮やかな記憶の風船
桔梗色の空と水平線が交わるところで
音のない世界をどんな風に見る?
たっぷりと水を蓄えた細胞が震える
りんごの木がざわざわと鳴く
何かが起こっている
誰かが怒っている
いなくならないで
羊水に浸す、透きとおる清潔な翅
さよならと言った
放課後
水の中にいるみたいだった
静かに、消えそうに、佇んでいた
窓のない部屋に手づくりの光を灯して
いつでも
小さな声に耳をすました
簡単に壊れてしまうものを愛した
形のない影を交互に縫った
心の祠の中を旅した