日報

あるいは遺書

りゅう

透明な部屋

青白い部屋で


粒を拾う


音の階段は無限に近づいて


風が洗濯物を揺らした


優しさ


悲しみ


窓辺の雫を食べる


廻り続ける奇麗な玉


もうすぐ赤ちゃんがくる


静けさの準備をしている


透明な言葉を発音する


時計が針を刻むのが愛しい


満ちる慈しみの波


わたしの中の失われた海


硝子でできた飛行船


桔梗色の空と水平線の狭間で


きらきらと反射させる


春を纏った影をぴったりと抱きしめる


一つになる熱


もっと潜ろう


手のひらで輪っかをつくる


放課後のカーテンがゆらり


太陽の中に沈もう


最初の表情


りんごの木がざわざわと鳴る


今ここにあるもの、今ここにないもの


あるけどきこえないもの、ないけどさわれるもの


二重螺旋はどこまでも渦巻く


騙しながら


あなたに会えてよかった


詩にしてから初めてわかった