すべてを手放したあとに残るもの
絡み合う風と熱
虹の白い部分にめがけて
もっと息がしやすいように
どんどん詩を空に投げ捨てる
たのしい
桜並木に沿って
ピアノの粒を配置して
反復する鼓動
人形たちが歌いだす
透明な周波数
大人になったり子供になったりできる
たのしい
つばさをひろげて
君が白だと思う白に敬意を抱く
向こうがわ、こちらがわ
本当はパスポートなんていらない
鳥籠の中で空と繋がる
強く思えば
海を抱きしめる
誰もいない
静かな時間帯に考えたこと
やがて窓枠から溢れだす光を浴びて
昨日と今日にどれほどの違いがあるんだろう
でもそれを繋いでいるのだから
すべてを手放したあとに残るものについて思う
ぴったりと寄り添う影
迷子になりたい
ざわざわと振動する心
君の記憶の中に入りたい