日報

あるいは遺書

りゅう

指先

コーヒーの白い湯気を見ながら


あらゆることが簡単に思える瞬間


わたしたちはもっと優しくし合いたい、できれば


カーテンが春の風に揺れている


とても遠くから響く声を聴くことができる


地球が球体であるということ


トンネル、海


反復する鼓動


愛しい沈黙を連れて


今旅の途中だと考えることもできる


家の中にいても


揺れているものを見るのが好き


歩いていこう


意識の奥底まで


おはよう


部屋全体が一緒に呼吸している感じ


ここにいる、あたたかい


記憶の雪が覆っていく


君を笑わせてみたい


存在であるというだけでもういい


なにかつくろう


指先に霊力を込めて


愛と関連させてみてもいい


古い時計がまた動き出す


誰もいなくなった街で


眠りから覚めて


わたしのなかの透明なわたしへ


痛みと光をなぞって


抱かれて


なにかつくろう


なんでもいい