日報

あるいは遺書

りゅう

動物

触れた瞬間に壊れる硝子


幽霊の時間


繰り返し子供を沈める


こんなことがしたかったわけじゃない


かくれんぼをしよう


窓に映る自分の影


どこかに運ばれてしまうことが不安だ


すべての感覚を遮断された死者


閉じた輪に憧れて


言葉を紡いでももう遅い


想像したのと違った


意味が意味を再生産し続けて


まるで生き物のように不気味に蠢く


祈りがあれば


遠くで風が鳴った


その罪を許すためのシステムがひつよう


もう思い出せなくなった記憶のささやき


陰影にくるまって見境をなくす


愚かな愛はお腹をすかせて


橙色の天使、空洞の瞳


死に値する人間なんていない、みんな未完成のまま死んでいく


声にならない声の温度をすくい取って


笑いあっていたいね


ある種の透明さを空に響かせて


遠く離れていく


ゆっくりとほどけていく


生活は続く


夜と朝を入れ替える


前は見えなかったものが今は見える


でも君の声をもう忘れる


檻の中でうろうろする動物みたいに


何かが起こるのをただ待っている


過去と未来の境目を失くす


誰かがおれを操作している


ここにいること


もうそれだけでいい


温かい水のゆらめき


溶けてなくなる


色んな色の風船を飛ばす


オルゴールの波長で信号を送る


痛みと光を海に還す


どうか元気で