日報

あるいは遺書

りゅう

今日と明日を繋ぐ動物

落とした


音がした


金色の夢の中


君はそれを大事にしていた


もうすぐ赤ちゃんがくる


窓を叩く激しい雨


虹の白に近い部分


深く深く祈ったことはあるか


止められないうねり


友だちを殺してまでやりたいことなんてない


悲しみを抱きしめたいだけ


自分を責めないでください


届かなかった


絡み合う正義と悪はもう分離できない


オルゴールの波長に乗せて


心は自由自在に旅する


心を取り戻したい


どうか


今でも後悔していることがある


ゆっくりと細胞は壊れていく、それがわかる


もう大人だから


扉をひらいて


何もないところから不安はやってくる


どこか不完全な痛み


病院の清潔な白さに吸い込まれる


また同じことだ


でもぼくはそれを大事にしていた


憶えている


混ざり合いながらここにいる


捨てるべきものはなにか決められない


言葉は意味を伝えるためだけにあるわけじゃない


今日と明日を繋ぐ動物


声になる前の声で鳴かなくては


すべての失われたもののために


なかったことにされた孤独のために


生きていてもいいよ


いつ死んでもいいよ


歌を歌うことは誰にも止められない


さよならの温かさを知っているから