日報

あるいは遺書

りゅう

葬送

急に何もかも処分して


時計仕掛けの


白と黒の狭間で


小学生のころから疲れたが口癖だった


鼓膜があるのに


鳥が風を切る時の姿勢


呼吸する街の只中で


雨を乞う


雫を食む


木立のざわめきに連れていかれ


見当識障害


電子の海を回遊


終わってることに気づいてないだけ


オルゴールの手紙のお返事


幸せを維持するための努力は


偏りと隔たりと


捨てられない写真がいっぱいある


くらげのようにたゆたう


小さな灯火


お金さえあればいいのに


何かを選んだ覚えはないのに


プラネタリウムのねじが緩んでいる


昔の郵便ポスト


まだ知らない君の姿


しばらく一緒に歩こう、深夜2時


深い霧


なんとか0に戻したいんだ


変な嘘つかないで


糸がこぼれてしまう


冷たい子宮で


テレビのチャンネルを変え続ける


望みや祈りがただそれだけで価値があればいいのに


腐ってしまう前に


花を見つけて、花を飾って


昨日まであったものがもうここにはない


色のない空間


煙草の匂いがしてきてしまう


晴れたら羽ばたく


昨日と明日を繋ぐ動物


手に手を重ねて


想像力の先端を研ぐ


運ばれていくために