日報

あるいは遺書

りゅう

終わり

残された人のための歌


冬の朝、コーヒーの湯気


鏡に映る名もない塊


嵐が過ぎ去るのを一生待っている


ぐるぐる回るだけで他は何もない


知らない間に優劣が決まっている


人間は多分減った方がいい


自分以外存在しない国


お父さんとお母さんが離れ離れになるのは君のせいじゃない


照り返す白い


重力に逆らって


空と海の交わるところで


重なり合う図形


死ねばいいのにと思ったことがある


四角い部屋に閉じ込められて


まだ会ったことのない友達を想像する


うん、頷く


間違いじゃない


からすが飛び立つ時に


渦巻の黒、吐きそうな


誰にも言えない


暴力の滲む色


かろうじて意志を繋ぎ止めて


箸の持ち方がおかしい


給食を食べるのも遅いし


光をかざして


カーテンがゆらゆらゆれる


勉強したことを片端から忘れる


首輪をはめられた野良犬


死んだらどうなるの?


ここじゃないどこかに行けるの?


誰もいない街で


自分の匂いに溺れる


身体がだるい


ずっと眠りたい


とりとめもない記憶の再生


ほら、指さす


何も変わらない


前略プロフィールとかの時と


俺は寝言しか言えない


細い雨


公園で遊ぶ子どもをずっと見てた


犯罪者予備軍


誰もいない街に行きたい


太陽に向かって飛びたい


悪意に感染する前に


またファミマで働く夢見た


ファミマ辞めてよかったー、あんなのもう無理


終わり