日報

あるいは遺書

りゅう

飛行機

綺麗にしたい、今からでも


澄んだ秋の空


透明な魚


沈黙の匂いを嗅いで


お墓参り


冷たさを抱きすくめる


心臓の鼓動


不安の濃度が高まる前に


でも最初の一行が書けない


気づくと見知らぬ場所にいる


できない


改札口から吐き出される人々を眺める


風が頬を撫でて


遠い未来から今戻ってきたような気分


未知の病原菌にも慣れた頃


また飛行機が飛ぶ


だって仕方がないから


どんな環境でも子供は勝手に育つんだから


来年は台湾行けたらいいな


俺の言葉は全てが言い訳のように響く


お別れしてもまたいつでも会いに行けるからね


白い光に包まれて胎児の姿勢


どうでもよくないのにどうでもいいこととして処理した


忘れないで


自分が誰かわからなくても自分を呼ぶ声には気づいて


花びらを捕まえる


バラバラになった記憶を奏でる


その感情の形を


知らない間に時が進む


今更もうどうしようもないということが多い


想像上のパズルのピースを探し続ける


上手くいくはずだと思い込んでいるから上手くいかなかった時に上手くいかなかったと思うのか


今日はもう休みの日


カレンダーの数字は無限に増殖する


もうすぐ死ぬのかなとたまに思うけど案外死ななかった、今までは


最後の言葉は何を言えばいいだろう


最後に思い出すものは何?