日報

あるいは遺書

りゅう

花瓶に花を立てるように

窓を開けたい


手紙を書くためには


死にもっと近づきたい


あなたが誰なのかまだ知らない


感覚を通す管


永遠の中で迷子


カラスがついばむ袋


人工的な曲線


やりたいことがいっぱいある


とりあえずまずは裸になりたい


木立のざわめき


もうこれ以上痛いのは嫌だ


君を助けたい


やってきては去っていくのに


どこにいるの?


何千回も繰り返す


意味の海に溺れる


泳ぎ方を知らないから


幼い子供のように


わけもなく駆け出す坂道


白い息


加速する時間の川


あの人はもうすぐいなくなる


抱きしめる仕草


今は誰にも見つかりたくない


胎児の姿勢で星を数える


新しい命


不思議であるということ


血液の流れる音


花瓶に花を立てるように


目を覚ましていたい


青い空がほころぶ


静けさの中で生まれ静けさの中に消える


彼女に泣いてほしくない


傷痕が何かを言う


それも手紙に書こう


白い生き物


何がどうなったって構わない


世界が壊れていくのをただ見ているしかない