日報

あるいは遺書

りゅう

時間の川

生活の残骸を


組み立てて


冬の朝


さっきの夢をいつまでも引きずる


聴こえる


心臓の鼓動を確かめる


試してみたくなる


洗濯物が風に揺れる


お祈りの言葉


一斉に鳥が飛び立つ


思い出したくないことばかり


しんと冷たい水の中で


光が曲がる


不規則なゆらめき


まだ始まってすらいない


赤十字は佇む


ふわふわ羽毛のように落ちていく


でたらめに波打つ


苛々していた誰でもよかった


意識が曖昧になって感覚を通すだけの管のようになる


星を散りばめて


花を飾って


どこか遠くに行きたいな、とふと思う


頑張らなくてもいいのに


透明な涙だけが静かに頬を伝う


どんどん軽くなっていく


一つ一つ時間の川に流していく


寂しいような気もする


最果てまでさようなら


それなら


車に乗って海まで


やることないし


完成しなかった歌みたいな


白と黒のない世界


つなぎ目を委ねて


秘密をずっと見上げた


風船、赤、青、白


天国を重ねてみる


都合のいい妄想


鳥になって、魚になって


ちゃんと返そう


まばたきしてる間にどうせ終わる


きらきら光る砂


耳鳴りに耳をすます