日報

あるいは遺書

りゅう

何一つ新しくない一日


病院の古ぼけた白


花瓶の花


窓越しの朝


急速に熱を奪っていく


ここにいるのにいない


これ以上伝えたいことなんてない


また飛行機が飛ぶ


体温を測る


取り残されていく感覚


肌がざわつく


身体の中の星がぐるぐる回る


出かけよう


帰ろう


音楽聴きたい


命が命であることの意味


みんなそれぞれ色々なことを考える


改札から吐き出される人々の群れ


屋上で煙草を吸う、今日だけ


濡れたコンクリート


いなくなった後を思い浮かべる


麻痺したまま進む


たくさんの血液が染み込んだ樹木に


陽光が射す


一日は簡単に進む


殺してはいけない


それはそうだ


殺さなきゃいけない、それもそうだ


公園に行こう


かさぶたをそっと剥がすみたいに


ゆりかごは揺れる


トラウマですら大切にする


愛してる


墓の冷たさにそっと頬を寄せる


そうして0に近づく


くるしみのきらめきを数えて


右も左も何もかも失くす


さようなら


俺は毎日仕事をしていて偉い


機械のように


時間は伸び縮みする


役割にしっかりと根を張る


夢の中で


深い森に迷い込む


守りたい女の子


人形が歌いだす


魂を信じる?


朝方、静かに翅が開いていく


始まりも終わりもない


ずっと続く、ずっと途中


日溜りの中で


言葉では到達できない場所に行こう


変化していく


もう一度話したいと思う