空想癖
目覚めた
閉じる
30日
悪夢は交互に
誰も悪くないのに
そばにいてね
光の筋を辿って
祈りの蠢き
ただ生きているというだけで
細胞は代謝を続ける
風で頁がめくれていく
最初に羽ばたいた日
誕生日
確かな嘘をもって
大切なものをすべて失くしても
君が君じゃなくなっても
脳みそがどろどろに溶けても絶対大丈夫
だってあなたはそれを経験したのだから
すべて
美しい人
美しいまま
もう帰ろう
今目の前に顕れるものがすべて
くっついたり離れたり
白と黒の鍵盤
光と陰の形のないゆらめき
夕焼けの匂い
ただここでこうしていたい
誰の力も借りなくても幸せになれる
心臓の裏側で咲く
流れる
愛は開く
通過する
夜をほどく
ジャングルジムのてっぺんで月を浴びる
海の底みたいに暗くて静か
取り込み忘れた洗濯物がはたはたと揺れている
缶ビール
何を思えばいいかすらわからない
あそこから落ちたら痛い
好きな歌
灯台の点滅
コンビニ
ざわめき
泡のように
ねえ耳を澄まして
暗号のような震え
温かくて冷たい身体
記憶の階段をゆっくり降りる
貝殻を並べる
空想癖
喜び
最果て
神さまなんていないよ
適当でいいじゃないか