日報

あるいは遺書

りゅう

風船

不思議に思う


人工衛星の反射するきらめき


秘密を分け合おう


誰にもわからない


最後のままで


永遠に呼吸を失う


水中で揺れる花


道なんて最初からなかったよ


手を繋いで途方に暮れる


本当と嘘を交換しよう


誰も助けてはくれない


帰るべき場所を燃やした


木立のざわめきが何かを示唆する


強くならなきゃいけない時に強くなれなかった


9歳の悪魔


柔らかい布に優しく包まれる


何もなかったように眠る


心も体もなくなればいいのに


プールに飛び込む、泡


さようなら、ありがとう


待って、行かないで


全部わかったような気がした


眼をじっと覗き込む


接続


まっさらな白い朝


洗濯物が風に揺れる


やりたいこともやることもない


ただここにいる


世界の部品の一つとして


時間が流れているだけ


昆虫の視点で空を見上げる


だんだん身体が軽くなって


透明になって


前よりも空を身近に感じる


くらげのように泳いでいく


ゆっくりと、正しく


いくつもの色とりどりの


バラバラになったわたしは


風船のように上っていく


それを見ているわたしはだれ?


悲しい?うれしい?


淡く、淡く、気を付けて


最果てまで


それを問いかけるあなたはだれ?


見えない糸で繋がっているから


またあの場所に帰るのかな


愛があれば


愛を感じ取ることができれば


できるよ、そう言いたい


鼓膜を震わす小さな振動


行かなくちゃ


白い影を連れて


夢の続きを