日報

あるいは遺書

りゅう

0と1の鬼ごっこ

苛立つ母


埃がたまる


真っ暗な真夜中


時計の針の音が満ちる


会いに来たよ


そう言って静かに笑う


手に入れて


手離して


目を開けて、目を閉じて


真剣に考える


少しだけ混乱している


虹の輪の外で


温かさと冷たさの音階をじっと見つめる


味のしないパン


たくさんの鳴き声


影は時計回り


記憶をそっと並べる


長い帰り道


眠ったふりをして


抱っこして部屋まで


あくびして涙


街全体が透明な水の底に沈む


光が歪んで


新しい玩具を買ってもらったみたいな気持ち


夢と現実の境目は消える


飲み込まれる


大きな暗い穴の底で


奇形の一角獣


そのか細い声


よしよし、ここにいようね


傷痕が雨に濡れる


悲しみの静寂を理解する


感覚の洪水


もう何も押し付けないで


これ以上何もいらないから


溺れる


息が乱れる


鼓動が途切れ途切れになる


大きな手のひら


守ることも、傷つけることも


白と黒の鍵盤


嘔吐


逃げながら追いかけて


同じ場所を何度も廻る


太陽の周りを廻る


皮膚は柔らかく受け止める


環境の変化を


季節の継ぎ目を


0と1の鬼ごっこ


罪を清める歌


できれば遠くに行きたい


蜃気楼が揺れる、その揺れに合わせて


小さく、丸くなる


愛なんて信じない


だけど永遠の片鱗に触れる


死は近い


共振