日報

あるいは遺書

りゅう

やってくるものを静かに待つこと

あなたの朝が


流れ込む


冷たくて透明な



塔に登る


記憶の欠片を手渡して


儀式のように


さようならと発音する


原始の震え


ふわふわと


空に落ちていく


わたしはまた失う


白と黒の縁どり


あの丘から見下ろせば


たくさんの窓の明かり


始まりと終わりを何度も繰り返し


傷痕を増やしていく


優しい雨


小さな光


亡霊のようにただ通り過ぎる


形のない沈黙を抱きしめて


今は何も思わない


宇宙は合図する


花びらを撫でる細い指先


信じる?


本当と嘘が混ざっていく


体の中で絵の具が混ざっていく


交差しては離れる


窓辺に座って目を閉じる


やってくるものを静かに待つこと


遠くから、近くから


満ちる、欠ける、そして満ちる


季節と季節の境目に立って


佇む君の姿


白い影


灯火


色のない夢


新しい感情を見つける


丁寧に受け入れて


魚や鳥のように旅をする


呼吸


海を奏でる


微かな振動をとらえる


力をほどく


地球の回転に身を委ねる


意識の中の心に触れる


そっとノックする


ここが入口


虹の輪