日報

あるいは遺書

りゅう

ユリイカ

白と黒の狭間


空いた穴


かつて家族だった


雨は夜のうちに止んだ


バランスを取って


昨日が今日に変わる瞬間


音のない歌


夢で触る


川沿いを歩く


小さな光の点滅


人工衛星が横切る


新しい季節の風を


胸いっぱいに吸い込んで


過去と未来を手に入れる


夕暮れの赤い空


沈黙は続く


こっちにおいで


変わりたい


炎を見つめる


秘密の暗号


お揃いの詩


死ぬのが怖い?


愛しい影


曖昧なまま


目を閉じて目を覚ます


跳躍


空の青に潜る



可能性が重なり合って揺らめく


微笑み


音楽を鳴らして


宇宙の合図


どれだけ深く潜っても


逃げられない


追いかける


子どもごっこ、大人ごっこ


眠ろう


みなしごのゆりかご


幸せで淡く塗る


照り返すサーチライト


ユリイカ


記憶を還して


バラバラにほどけていく


虫食いの葉


うなだれるひまわり


胎児の姿勢で横たわる


祈りを捧げて


またあの部屋へ


誰かが誰かを呼んでいる


水面に広がる波紋


何を映している?


虹の輪を手のひらですくいとる


しんとして冷たい


深い霧


夜と朝が相互に交わる


オルゴールの波長


透明な意識


花の匂いを探す


濡れた太陽


全身を血流が巡る


ありがとうと言う


これで最後


白い


羽ばたいて


完全な左右対称に近づく


ただ前だけを向いて