日報

あるいは遺書

りゅう

暗い窓


糸が途切れる


記憶の循環


体だけここにある


帰ろうよ


夕焼け空と電線


光る粉


蝶の飛び方を真似て


空に飛び込む


ひりひりする痛み


これで最後だから


寄る辺ない風


出せなかった手紙みたいな


くすんだ灰色


今日を通り過ぎる


列車に乗って


踏切の音


どこか遠くへと消える


透明な泡に包まれて浮かんでいく


好きな季節を教えて


煙草に火をつけて


大切にしていた悲しみを失う


重さから解き放たれて


花が咲いている


何かが流れ込んでくる


冷たくて温かくて渦を巻く


入口、出口、そっと


いつも


こんなところまできた


こんなはずじゃなかった


キーボードをタイプしていく


小さな歌


天使が舞い降りる


鋏で切り分ける


まだ柔らかい球体だった頃


葉脈を伝って気が垂れる


プラネタリウム


すごいはやさ


トンネルを抜けて海が見えたら


奏でる朝


終わらない


層をつくる


砂浜に寝転がる


生活は続く


学校に行かなくちゃ


俺は俺にしかなれないのか


自転車を漕ぐ


何がしたいの?


迎えに行こう


最初の言葉を信じて


どこまで?


白と黒の鍵盤


翼をください


本当も嘘もない


今ここにある感覚だけが真実


戻ることはできない