日報

あるいは遺書

りゅう

静かな朝

星を数えている


横たわって


木立のざわめき


過ぎていくものがほしい


ここにいられてよかった?


目がまわる


一つ一つ


振動の循環


落ちた人工衛星


心と体が離れ離れ


何をしているんだろう


虹の渦


抵抗しない


森の奥へ行く


裸足で走っていく


何かがやってきては去っていく


影は時計回り


大きな穴を覗き込む


心の一番深いところ


お地蔵さまが雨に濡れる


誰もいない


とぼとぼ帰る


自分が誰か忘れた


形あるものとないものの境目に惹かれる


傷痕が疼いている


無音の音楽を口ずさむ


ふと花びらが零れた


時間の逆流


積み上げてきたものを崩す感覚


指先に微かな痛みが走る


どれほど遠く離れても


静かな朝


溜まった疲れは取れないまま


お祈りの言葉


かつて0だった者へ


粒子のささやき


できるだけ耳を澄ませて


もう諦めていてもいい


灼けつくような温もりの中で


透明ではない声


何になりたかったか忘れた


風が吹けばいいね


話ができたらいい