日報

あるいは遺書

りゅう

楽しかった日

生まれるときの音と匂い


白い


秘密の鍵


まだ言葉になる前の約束


たゆたう嘘


幻想のような


小さな子どものような


虹を見つけるために


開くの?


選択する


入れ子構造の世界


もっと奥へ


青い波の先へ


螺旋階段を降りる


わずかに差し込む光


正解なんてない


説明できない


一つ一つ並べて


すべてが大切だから


失くす


何千年前の誰かの記憶


楽しかった日


蔦が絡まる


瓦礫の上で空を見上げる


ありがとうってこの国ではどうやって言うんだっけ


今日だけ他の人になりたい


そんな気がする


月の波動が入ってくる


横たわる


心臓の鼓動をいつもより近くに感じる


じっとする


見透かされているのかもしれない


指し示しているのかもしれない


呼ばれているのかもしれない


古傷が痛みだす


沈黙の響き


混ざり合って、波及して、影響を及ぼす


輪の軌道上に


ブランコ


ひまわり


風、風、風


滲んで見えない文字


誰かがそこにいた


息の痕


ここだけぽっかり何もない


がらんどう


夢の中で触る


できれば抱きしめたい


怒りで咲く花


水の中で静かに揺れる


何もかもここに帰ってくる


ねえ、歌


男でも女でもなくなる、今は


好きな場所


時間の渦へ


溺れる、泳ぐ


最果ての速度


きらきら


君が祈ってくれたから


与え合い奪い合い分かち合おう


変化していく


反射する


遠い向こうまで届ける