日報

あるいは遺書

りゅう

狭間の渦

過去・現在・未来が交差する瞬間を見る


情報の洪水


信号機の明滅


夜なのに明るい


醜いアヒルの子を探す


小さな小さな約束


とっくに冷めているコーヒーを飲み干して


ここじゃないどこかに行けたら


そこが君の行くべき場所、やるべきこと


アスファルトの上で干からびて死んだ虫


つまらない冗談は続く


これから空に帰る人


夢とか希望とか温かいもの


一つ、二つ、数えることしかできない


見つけたいと思う


扉は普通は閉ざされている


でも不意に意味のない一言で開くときがある


旅人よ


秘密の入り口


上手に息をしよう


そっと


そよぐ風のように消える


ふとこぼれた


桜の花びら


いっぱいになって


透明な水に運ばれていく


さらさら


記憶を閉じて


荷物を下して


太陽の届かない場所で


もしもの話をする


何が見える?


さようならの子供たち


水たまりに落ちた虹


しゃがみこんで目も耳も塞いで


それでもやってくる何か


踊ろう


木の葉


近づけば近づくほど遠ざかる


ただ淡々と交互に縫う


あなたからわたしへ、そして他の誰かへ


隠された意味を読み取った時


思わず笑みがこぼれる


鍵盤の白と黒


可憐に動く指


想像力で対峙する


きっとゆっくりと変えていけるし


変わらないでいることもできる


わかっている


心の奥底に海が満ちる


どこまでも逃げながら追いかける


泣かないで


触れる皮膚と皮膚の狭間の渦