日報

あるいは遺書

りゅう

車輪

現実と妄想の境目はどこだろう


輪郭が歪む


新しい朝だ


遠くまで来た


列車が通り過ぎる音


目を瞑って手のひらを浸す


体の中に道を開く


アスファルト、土埃


訳もなくわくわくする感じ


ひとりだけどひとりじゃない


物事は必ず正反対の意味を含む


クリスタルが弾ける


知らない間に魔法にかけられている


街は透明な海に沈む


不思議な響き


浮遊感


あるべきものがあるべき場所にある


手のひらを合わせ輪をつくる


塔に登る


白と黒が入れ替わる


影絵みたいに


葉脈のフラクタル


あてもなく信号を送る


命の気配を探して


抜けるような青


均衡を保つ


良い気と悪い気


淡く淡く願いを重ねる


レイヤーを移動する


血流に意識を向ける


この身体は子宮の記憶を知っている


何のために蠢くの?


名前は何?


どんな風に見える?


どんな時に嬉しいと感じる?


そして風が吹く


カーテンが揺れる


西日の射す部屋


音もなく、大人しく佇む


優しい虹に満たされて


正しいこと、正しくないこと


愛や憎しみをぐるぐると廻す


車輪のように


心を繋ぎ合わせて


あなたはあなた、わたしはわたし


指し示す方へ