日報

あるいは遺書

りゅう

廻る

良かった


今は大丈夫でいられる


その傷痕を愛おしく思う


でもその反対の意味も受け入れる


くすんだ灰色の団地


グラウンドに土埃が舞って何も見えない


夕方5時のチャイム


鳥たちの飛んでいく方へ


信じる?


強い方から弱い方へ残酷な力が働く


わたしがわたしであることを阻む力


階段を昇って


一歩、一歩


心を空っぽにする


きらきらと光り輝く何か


魅せられる感覚を呼び覚まされる


心臓は働く


細胞は知ってる


与え合い、奪い合う


この地球上で人間だけが音楽を奏でる


木立のざわめき


寄せては返す波


分かち合えたらいいね


難しくはない


神さまにも言えない秘密を交わそう


夜から朝へ


ほころんでもつれ合う


ブランコは揺れる


連れて行こう


あの記憶にもう一つの意味を追加する


幸福感の別の側面を知る


これ以上契約はいらない


過去から未来へ、未来から過去へ


太陽の周りを静かに廻る、一緒に


冷たくて温かい


誰も知らない小さな約束


本当の嘘を歌う


消えそうな灯火


舟を出す


静けさに耳を澄ます


どこからともなく信号が届く


皮膚の内側まで染み渡っていくもの


鍵盤の白と黒


花瓶の花


カーテンが揺れる


新しいものと古いものが混ざる


ここにいるということを思い出す


命が息づく、そのことに気づく


コーヒーを飲んだらまた始めよう


旅は続く