日報

あるいは遺書

りゅう

インストール

含む


降る


夏の最後の日


壊れそうな青


ひまわりが黙って揺れる


子供の声


懐かしいね


くすんだ灰色の壁


チャイムが鳴る


吸い込まれる


消えていく煙草の煙


少しだけゆっくりになって


また元に戻るまでの間に


灼けつくような温かさに触れた


空を泳ぐ


夢を彷徨う


抜け殻のような記憶


何にもなりたくない


じっと横たわったまま心臓の音に耳を澄ます


二重螺旋の梯子


憎しみと怒りの木漏れ日


しんと冷たい水


真夜中のブランコ


名前を失くしたの


パズルのピースは隠されている


あなたは誰?


手のひら



日々のひび割れ


シンクロする


白い影


もう一つの意味を見つけ出す


人工衛星が空を横切る


オレンジから深い赤へ


インストール


まだ知らない感情


意識の状態


ここにいること自体を肯定したいと思う


へその緒で繋がるように


境界が溶けていく


あなたからあなたへ


旅をする


興味がある


あくまでも沈黙を守る


気にしなくていいよ


孤独の中で咲く花


水中で揺れる


いとも簡単にほどけていく


微笑んで


此岸と彼岸の渡し舟


神経の伝達


オルゴールの手紙に乗せて


心の柔らかい場所にそっと


男の子、女の子


軌道上をくるくると廻る


木の葉の上を水滴が伝う


包んで


包まれていたい、このまま


その感覚を正しいと信じる


穏やかに、高らかに